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2023年11月7日

03-05/11/23 初冬の常念山脈

奥上高地・徳澤園からパノラマ銀座、常念山脈を長塀尾根、蝶ヶ岳、常念岳、大天井岳を経て燕山荘、中房温泉まで歩きました

槍、穂高連峰
蝶ヶ岳稜線上でみる夜明け前の槍、穂高連峰

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2023年8月15日

12-14/08/23 最奥・日帰り温泉

わが国では最奥に位置するといわれる高天原温泉・からまつの湯に、雲ノ平から日帰りで行ってきました。

雲ノ平より夕映えの黒部五郎岳
この色合いは決して誇張したわけではありません

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2022年11月4日

02-03/11/22 蝶ヶ岳ヒュッテを訪ねて

安曇野の三股から北アルプス前衛、常念山脈の蝶ヶ岳に行ってきました。

モルゲンロートの穂高連峰
モルゲンロートの穂高連峰

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2022年9月27日

2022年8月19日

2022年8月18日

13-17/08/22 針ノ木谷、船窪出合いの甘味処

七倉温泉を基点に北アルプス・裏銀座、ブナ立尾根~野口五郎岳~水晶岳~赤牛岳~読売新道~奥黒部~針ノ木谷~船窪乗越~船窪小屋~七倉尾根のルートで周回しました。

三ツ岳の砂礫地に咲くコマクサと不動岳、針ノ木岳、蓮華岳
三ツ岳の砂礫地に咲くコマクサと不動岳、針ノ木岳、蓮華岳

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2022年5月5日

03-04/05/22 乗鞍岳・滑り台滑走

位ヶ原山荘泊で乗鞍岳に行ってきました。

乗鞍岳・滑り台滑走

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2021年9月22日

18-20/09/21 7度目?の正直 main ver.

これまでに意識した山行を6度も経たうえで、今回ようやくその山頂に立つことができました。

草モミジと大伽藍の山頂

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2021年9月21日

18-20/09/21 7度目?の正直

これまでに意識した山行を六度も経たうえで、今回ようやくその山頂に立つことができました。

草モミジと大伽藍の山頂

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2020年11月3日

31/10/-02/11/20 常念山脈(三股、前常念岳から中房温泉)

パタゴニア

初冬の北アルプス・常念山脈、常念岳~大天井岳~燕岳行ってきました

聡明の槍・穂高連峰

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2020年10月19日

17-18/10/20 黒部五郎岳へ

パタゴニア

岡山・Yくんと太郎平小屋泊で黒部五郎岳目指しました。

薬師岳とプレアデス星団 すばる
薬師岳稜線と満天の星空 プレアデス星団 すばる

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2019年11月5日

03-04/11/19 燕岳と大天井岳

パタゴニア

北アルプス、燕岳と大天井岳に大天荘泊で行ってきました。


中天井岳で見た巨大ブロッケン
昨年は大きな影天井だった

昨年も小屋閉めのこの時期に大天荘に出かけましたが、今回はルートを変えて北の中房温泉を起点に合戦尾根から燕岳に登ったあと、表銀座縦走路を大天井まで歩くルートで出かけてきました。

一ノ沢からのルートは19年ぶりでしたが今回の合戦尾根からのルートとなると、その倍の38年ぶりです。

わが人生において、これほど長いスパンの空いた出来事はないのではないかと思えるほど恐ろしく年を取ってしまったのですが、この年月が邪魔をするからか、そもそも記憶力が悪いかは別にして、ハッキリ言って当時の中房温泉のことは何一つ覚えていないのは、かなり悲しい。

温泉は当時からあったでしょうが、あたりの様子どころか建物があったかどうかさえ分からない。


合戦尾根、中房温泉登山口
下山時写す

唯一は登山届を提出する際、声をかけてくれた方がいたような・・・。

もちろん、今のようにマイカーは持っていなかったので穂高駅か有明駅あたりから路線バスでそこに向かったはずですが、あのクネクネ道も含めて記憶にありません。

すごい道をバスで来たものです。

合戦尾根で覚えている数少ないことは、所々にベンチがあって登りやすかったような気がしますが、登山路もあんなに広い場所があったかどうかさえ覚えてなく、特に急登のイメージも残っていません。

強いて言うと、着いた合戦尾根の頭の燕山荘のテント場が夏の早い時期だったことでまだ雪に覆われていて、雪上にテントを張ったような。

場所も今のようにきちんとした区画はなく、もっとアバウトな天場だった気がします。

それよりも稜線に出た途端、裏銀座の山々が目に飛び込んでいたとしたら、それさえ覚えていないとなると(実際に何も覚えていないのです)若いときはどんな感覚で山に来ていたのか、自分のことですら理解できないです。

その後、槍ヶ岳まで縦走して槍沢を上高地へ下山したのですが、新調した革の登山靴が足に合わず、本来、穂高岳まで縦走の予定を変更した、ちょっと苦い思い出のあるのが今回の燕岳です。

表銀座縦走路というルートも、あんなに大きく見える槍ヶ岳でさえ、この付近から見えていたかどうかはっきりしません。

足のことが気になって、それどころではなかったのかもしれません。

ただ、大天井岳~西岳で至近に見る北鎌尾根の威圧感は今もはっきり覚えています。

ということは大天井岳までにも槍ヶ岳は見えていたはずなのですが、この辺りの記憶もあいまいなところです。

で、昨年は常念乗越からで今年は合戦尾根から大天荘の小屋閉めを狙って、絶景に逢いに行ってきました。

絶景の結果は、十分合格ですがもう少し頑張りようがある点数にすると80点くらいはあげれそうな上々の景観でした。

足りなかったのは未だここから見たことのないモルゲンロートの槍、穂高連峰をこの場から見れなかったこと。

冠雪しているところまでは良かったのですが、寒気のせいで朝の日の出の頃だけ東の空や連峰もガスに包まれ、時間経過とともに晴れ渡った空が恨めしかった。

ただ、ガスとセットともいえる大きなブロッケンや、その後は好天下の素晴らしい峰々を見れたので十分です。

星空も合格点ですね。

月の入り時間が22時を過ぎてからだったので、これに合わせたかのように上空を覆っていた雲が晴れたのは嬉しかったです。

これに気をよくして翌朝までこの天気が持ってくれることを期待して寝床に就いたのですが、そんなに上手く行かないです。

でもね、あちらこちらで遭難事故の報も聞く昨今、これだけの風景を見ることができて無事帰宅できれば、もちろん何の文句もありませんね。

以下、時系列画像です。


その名のとおりの富士見ベンチ
右に甲斐駒ヶ岳、北岳、間ノ岳と続く
さらに右手に塩見、荒川、赤石、聖の南プス・オールスターズも


東天井岳~大天井岳と縦走路の上に中岳~槍ヶ岳


振り返れば低くなった有明山と遥か浅間山
下方の小ピークは合戦沢の頭


大天井岳の右に奥穂高岳も見えてきて槍ヶ岳まで見えるようになる
縦走路右端に蛙岩


燕山荘前、裏銀座の山並みを望む天空のベンチ
二日目に撮影


優美な姿の北アルプスの女王、燕岳


ミーハーチックにイルカ岩と槍ヶ岳


燕岳山頂から北望してみる北燕岳稜線と
龍王、立山・剱連峰、針ノ木岳、蓮華岳や鹿島槍ヶ岳まで


蛙岩と、見えてきた前穂高岳(左端)から槍ヶ岳・北鎌尾根までの槍・穂高連峰


保護色の紋様のため分かりにくいものの
撮ってと言わんばかりにポージングのホシガラス


大天井岳山頂からは圧巻の光景
右に白山も


日没後の空の様子


灯りのついた大天荘と直近の大天井岳山頂


時間経過とともに北の空から雲が晴れてきた


穂高連峰と中央アルプスのシルエット
吊り尾根下方の灯りは涸沢


前穂高・北尾根、前穂高岳、吊り尾根、奥穂高岳、ジャンダルム、
北穂高岳・北穂高小屋、大キレットと飛行軌跡
下方は涸沢ヒュッテの灯り


月の沈んだ深夜に満天の星空


北望してみる星空
下方、中央左に立山・剱、中央に針ノ木、蓮華、鹿島槍と続く
右下の灯りは燕山荘


日の出
瞬時のできごとで、こんな幻想的な朝陽は初めて


ブロッケン
中天井岳に居たのは一人だけだったので、それも幸いしたかも


朝の光景が嘘のようにスッキリ晴れ渡った
南岳、中岳、槍ヶ岳と北鎌尾根、西鎌尾根


大下りの頭で


前穂を除く穂高連峰と槍ヶ岳へと続く稜線、北鎌尾根は高瀬渓谷へ落ちる


燕山荘付近からでも素晴らしい景観を目の当たりできる

下山後、一度は立ち寄りたかった田渕行男記念館へ。


所蔵品はもちろん見応えありましたが
建物も小じゃれてハイカラ

時間が許せば、もっともっと、のんびり、ゆっくりしたい空間が、そこにはありました。
(館内は撮影禁止につき画像はありません)



HPは ようこそ『山のアルバム』へ

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2019年10月15日

13-14/10/19 双六岳と三俣蓮華岳

パタゴニア

三木・Yくんと鷲羽乗越、三俣山荘泊で双六岳、三俣蓮華岳に行ってきました。


双六岳より槍ヶ岳、北鎌尾根を望む
湯俣川で湧いた雲が滝雲となって西鎌尾根を流れ落ちる

just arrived !!


『 残 照 』
湯俣川の谷を埋め尽くす雲海と槍、穂高連峰 左、大天井岳

昨年来、何度もチャレンジしている黒部五郎岳登頂。

今回もそれを目的とした山行を計画したものの、やはり登頂できず下山となりました。

ご存じのとおり黒部五郎岳は黒部川の源流近くの山奥に存在します。

そもそも、そんな遠いところの山に一泊二日で行ってこようとすることに無理があるのは、年齢的なことも込めて、ある程度わかっているのですが、それとは別にあれもこれもと、つい欲張り山行になってしまうのも足かせの要因になっていることも承知の上です。

ただ、今となっては、それを抜きにした山行は考えられなくなってしまうほど大きなウェートを占めているので、足かせだからといって決しておろそかにはできません。

その山頂には今回も立てませんでしたが、今回ばかりは足かせの筆頭株、カメラの威力を今こそ発揮させるための、この上ない素晴らしい景観に出逢うことができたのです。

写真や画像でしか見たことのなかった光景が眼前に繰り広げられる、まさに「ヤバい」光景に出遭ってしまったのです。


冠雪の槍、穂高連峰 '18.10.21

鏡平の素晴らしい光景は、ある意味、昨年の山行で目の当たりすることができました。

双六岳からの光景も、同じく昨年の同じ山行で見ることができました。

今回は、それらの光景のさらに上を行く、山小屋の人に言わせても「かなりイイ」レベルの、年に数回しかないような素晴らしい光景を目にすることができたのです。

昨年の風景は前日の冠雪後のピーカンでした。

ピーカンはピーカンで、もちろん素晴らしい山岳風景を見せてくれました。


冠雪の双六岳頂稜台地と北鎌尾根、槍ヶ岳、大喰岳、中岳 '18.10.21

ただ、上には上というか、季節毎のというかがあって、今回は、高瀬川の源流域の支流である湯俣川を埋め尽くす見事な雲海が素晴らしい演出をしてくれました。

季節的に雲海は秋に出やすいとしたものですが、これまでの秋の山行では天候に恵まれる日はあっても、雲海はおろか、たなびく雲も見たことがないような気がしますから今回のような大きな谷を埋め尽くす雲海を見るのは、もちろん初めてのことです。

埋め尽くされたのは蒲田川ではなく湯俣川だったのもラッキーでした。

というのも宿は昨年は双六小屋でしたが今回は三俣山荘としていたからです。

鷲羽乗越から望むと、雲海の奥の槍ヶ岳・北鎌尾根までの大きな谷のすべてが雲海に包まれています。

雲海が生き物のように動くさまも素晴らしく、この光景は目にしたものにしか理解できない至上のものです。

午後に見た双六岳の景観も雲がイイ演出をしてくれて素晴らしかったですね。

蒲田川流域には雲がたなびき、湯俣川方面に湧いた雲が西鎌尾根を越えて滝雲となって流れ落ちるのが見えれば、これは何時かは見てみたかった光景そのもので、樅沢岳から槍ヶ岳を見た際の代表的な画にある現象です。

少し距離は離れていますが、双六岳からでも見応え十分です。

お天気は翌、お昼頃まで何とか持つだろうと考えていましたが、早朝どころか夜の明けない頃にすでに雨が落ち始めていました。

前日、日の入り後には上空に少し雲が出始めていたので、結局、この素晴らしい好天は時間にして、わずか8時間ほどで、その間に良いロケーションに居合わせたことで素晴らしい光景に出逢えたといえます。

千載一遇とは、まさにこのような境遇のことを指すのでしょう。

我が人生で、一度っきりの最高の自然現象に出くわすことができた今回の山行でした。


以下、素晴らしき光景の時系列画像です。


鏡平・鏡池より望む槍・穂高連峰


鏡池に投影する槍ヶ岳、大喰岳、中岳稜線


南岳・獅子鼻から大キレット、西穂高岳までの穂高連峰と奥丸山、眼下になった鏡平


双六岳山頂で目の当たりした第一弾目の至上の光景
蒲田川にたなびく雲が素晴らしい


北鎌尾根を従えた槍ヶ岳と西鎌尾根を流れ落ちる滝雲


南望すると秀麗な形の笠ヶ岳の彼方の雲海上に乗鞍や御嶽が浮かんでいた


雲海に浮かぶ別山~白山


表銀座縦走路の大天井岳から槍ヶ岳、中岳まで


丸山付近からみる槍ヶ岳の光景も秀逸


三俣蓮華岳のピークに達すると北鎌尾根・天狗の腰掛の左に常念岳も見えてくる


湾曲した標柱と槍、穂高連峰


北望してみる黒部源流域の鷲羽岳、ワリモ岳と最源流の岩苔乗越
鷲羽岳とワリモ岳の奥に顔をのぞかせるのは野口五郎岳と
左へ水晶岳、赤牛岳や立山、剱岳 その手前は雲ノ平・祖父岳


雲ノ平と薬師岳


これまで、これ以上の景観には出逢ったことはない
因みに、当地は当ブログトップ撮影場所とほぼ同じです


雲海に浮かぶ硫黄尾根と槍ヶ岳・大槍、大喰岳、中岳、南岳・獅子鼻


日没前後に見たこの光景こそが第一弾をも上回る至上、極上の光景


月光の大天井岳


シカ肉のジビエ・シチューをメインとした三俣山荘の豪華ディナー


月光下、早くもガスに覆われはじめた槍ヶ岳


ハイマツを縫って歩く場面ではコケモモらしき可愛い花が咲いていた


見下ろす樅沢の見事な黄葉


ライチョウさん


一日違いで大違い、見る影もない名ばかりの鏡池



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2019年5月4日

02-03/05/19 北ノ俣岳スキー滑走

パタゴニア

黒部五郎岳山頂に立つべく飛越林道、飛越トンネルから太郎平小屋に入りましたが、三度目の今回にしても、その山頂には立てませんでした。


益々、遠い存在になりつつある黒部五郎岳と、左に言わずと知れた槍ヶ岳


北ノ俣岳東面を薬師沢左俣方面へ向け滑るaoaoさん

またまた行けなかった黒部五郎。

へなちょこだから、こんなもんだけどピークからの景色は見てみたい。


寺地山の肩より見上げる北ノ俣岳西面と赤木岳 左は薬師岳


昨秋以来の北ノ俣岳


北ノ俣岳東面を滑る


青い空と黒部川源流の渓、三俣蓮華岳、丸山と槍ヶ岳 三俣乗越の奥は大天井岳


黒部五郎岳と双六岳稜線の奥に槍ヶ岳


沈む夕日と砺波平野


ほんのり紅く染まる薬師岳


星空と薬師岳、南東稜


水晶岳とワリモ岳、鷲羽岳、雲ノ平


太郎平小屋と大きな薬師岳


北ノ俣岳(左奥)へ向けハイクする


飛越新道出合いより薬師岳と遠くに剱岳


北ノ俣岳の登山者と黒部五郎岳、笠ヶ岳


寺地山、飛越新道の尾根と遠く微かに白山


笠ヶ岳と乗鞍岳、かろうじて御嶽


中央に赤木平と三俣乗越~三俣蓮華岳~丸山~双六岳
奥の稜線が大天井岳と槍ヶ岳~大喰岳稜線

赤木平方面へ滑り雲ノ平を前に黒部源流の山々も見ながら、しばしの~~んびり至福の時間を過ごす。

薬師沢左俣から飛越新道出合いピークまで右巻きで上がったあとは稜線を離れ北ノ俣避難小屋へ向け最後の滑走。

標高差600メートルを10分ほどで至上の超絶滑走。


北ノ俣岳と滑ってきた斜面を見上げる

小さなピークにて付けたばかりのマイ・シュプールを見上げ、太郎小屋で作ってもらったチマキ弁当で本日、二度目のマッタリ。

この後の長い尾根のアップダウンや林道歩行がなければ良いんだが、これも山行のうちか。

因みに、今ツアーが今シーズンの最初でもあり最後でもあるスキー板を履いた日でした。


フキノトウの和え物

林道脇にたくさんのフキノトウを見かけたので摘んで持ち帰ってみた。

この時期は蒲田川源流部、新穂高からわさび平間の左俣林道でも訪れる度、あちらこちらで目にしていたが、ここの林道脇にもたくさん目にしたので、これまでに摘んで帰ったことがないこともあって摘んでみた。

フンも見かけたからシカもいるはずなのに、これに口をつけないところに訳がありそうな・・・。

天ぷら以外の調理で食べるのは初めてだったので何とも言えないが、旬のものとして食べるべきで、好んで食べるものではないと感じたのが率直な意見。



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2018年11月8日

08/11/18 羨望の尖峰・槍ヶ岳

パタゴニア

先日、二週前にも出かけたばかりなのに槍ヶ岳を見ることに特化して再度、北アルプス・大天井岳に出かけてきました。


北鎌尾根・北鎌平付近に沈む夕陽

二週前は西鎌尾根の最西端ともいえる樅沢岳や双六岳からで、今回はその時とは正反対の北東に位置する大天井岳。

穂先までの直線距離はどちらもほぼ同じながら、その目線の前景を成す風景の違いから目にする印象はずいぶん違う。

景色の中景に緩やかに高度を上げながら西鎌尾根が穂先まで延びている前者がやや女性的なのに対し、北鎌尾根を従え天上沢から穂先まで一気に突き上げる様の見える後者は槍ヶ岳そのものをより男性的な山に仕立てている。

ここからの風景に喜作新道の尾根はさほど気になる存在でなく、先日来の降雪で雪をまとった槍ヶ岳や北鎌尾根の姿はさらに荒々しい。

大天井岳山頂から望めば天上沢から一気に突き上げるさまが圧倒的。

北鎌尾根、独標も指呼の距離。

槍はどこから見ても画になるしサマになる。


常念乗越の常念小屋と槍ヶ岳、ガスの穂高連峰への稜線

一ノ沢から常念乗越に上がったのは19年前の秋だった。

乗越に上がるなり、ど~んと槍・穂高が突然、目の前に広がり、ずいぶん感激したものだが、どういう訳か今回はあまり感激しなかった。

常念岳に上がってから大天井岳に向かうことも頭にあったが、常念乗越は風が強くて肌寒く、また見上げる山頂方面も見える槍・穂高連峰同様、ガスが掛かっているようなのであっさり止めた。

横通岳方面に向かうとガスの中に槍ヶ岳が見え隠れする。


稜線より望む槍ヶ岳
中景の尾根は上部が喜作新道の尾根 下部が二ノ俣尾根

東天井岳までは一ノ俣谷から吹き上げる風のせいか、砂礫やハイマツに覆われた独特の景観を見せる。

次第に姿を変える槍ヶ岳はガスが晴れることなくまとわりつき、その尖峰はたえず荒々しい。

表銀座縦走路の喜作新道が前景にあることは承知していたが、さらに手前に位置する東天井岳から南へと延びる二ノ俣尾根がこれほどの存在で目に入ることはまったく予想外で、意外だった。


一ノ俣源頭部稜線より前穂高岳~奥穂高岳と涸沢、梓川に沿う奥上高地と大滝山稜線
右の尾根が二ノ俣尾根で先端は中山


振り返り見る横通岳、常念岳、遠く蝶ヶ岳


右手には時折、安曇野が見下ろせる

二ノ俣尾根の鞍部に乗り上げ槍ヶ岳が大迫力の北鎌尾根を従え再度現れると、前景の尾根は喜作新道の尾根のみとなり想定通りの景観となる。

時間を気にせず、こうやって素晴らしい景観を目の当たりしながら天空の稜線をのんびり歩けることこそが至福の刻。

常念に向かわなくて正解だった。

時節柄、行き交う人もほとんどなくこの景観を独占で、さながら、めくるめく繰り広げられる槍ヶ岳劇場を観ながらの稜線漫歩。


二ノ俣尾根に乗り上げると再び槍ヶ岳と再会
晴れていれば右手に裏銀座方面も見渡せるはずだが・・・


大天荘


大天井岳より槍ヶ岳と北鎌尾根


大槍、小槍


燕岳へ続く稜線


夕照の稜線と常念岳

兎にも角にもこの日の夕景は素晴らしいのひと言で、これまでは耳にしたり、ネット上や紙上で目にすることしかなかったマジックアワーをこの目で実体験した。

東の空に繰り広げられたショーは、これまでに見てきた夕刻の光景は何だったかと疑うほどの異空間的景観だった。

ブルーアワーの時間帯も、いつになく素晴らしかった。


穂高連峰と涸沢


ブルーモーメントの空に映える北鎌尾根や大槍、小槍

日の入り後、時間を追うごとにガスは晴れ、槍・穂高連峰はもとより、連峰左端の前穂高岳の左遠くには乗鞍岳も姿を見せてくれた。

そんななか、硫黄尾根の向こうの湯俣川源流を取り巻く山域のガスが晴れてくれなかったのは残念だった。

中天井岳より見るパノラミック・マジックアワー

夜になれば満天の星空。


大天荘と、玄関先か庭先のテント場

小屋前のテント場には20張りほどのテントが張ってあるが、ずいぶん寒いだろう。

と思いながら佇むと、すぐそばのテントからイビキが聞こえてきた。

イイ夢見てるかな・・。

早朝のうちに大天荘・さかきさんに助言を仰いだうえ、朝の光景は昨夕と同じ中天井岳で見ることにした。


中天井岳で日の出を待つ


この場も含め大天井岳、常念岳、蝶ヶ岳の前山稜線はスッキリ晴れていた


大天井岳と大天荘、テント場

人との出会いは、いつも一期一会。自然との遭遇は千載一遇。

槍や穂高は雪をまとっているだけに、無雪期よりもさらに真っ赤になることを期待していたが、あいにくモルゲンロートには出逢えなかった。


次第に紅くなる燕岳への稜線と後立山連峰

当然のように日の出前から出かけてみたが結局、槍ヶ岳の穂先を見たのは、ほんの少しの時間だけで、以南の大喰岳、中岳、南岳や穂高連峰に至っては全く目にすることはできなかった。


これ以上ガスがとれることのなかった槍ヶ岳
穂高連峰への稜線も同じく見えず


朝陽

残念ながら期待通りの朝の風景に出逢えそうにない天候だったが、とはいっても自然はどんな素晴らしい光景を提供してくれるか、その時になってみないと分からない。

案の定的に、ちょうど朝日の反対方向、三俣蓮華岳や鷲羽岳付近に広がる巨大なオレンヂ色の雲のスクリーンにブロッケンが映し出される壮大なショーに出遭うことができた。


最後に出遭えた荘厳で壮大な光景


天上沢に架かった虹

天気が良くなれば下山前に山頂からもう一度、槍ヶ岳を望んでみようと考えていたが、ダメっぽいのであっさり諦めて下山の途。

稜線では昨日はあんなに様々な表情を見せてくれた槍・穂高連峰も今日は全く姿を見せてくれない。

登山路の下方が明るくなったら常念小屋が見えてきた。


常念乗越より一ノ沢と松本平を見下ろす

19年前は家族でこの路を上がってきた。

ここで目にした光景は当時とさほど変わった感はなかったにも関わらず、思いのほか感激がなかったのは今回がひとりでこの光景を目にしたからだろうか。

あるいは絶好の好天だった当時と違い、今日は連峰にガスが掛かっていたからだろうか。

それとも、只々19年という年月の経過がそう思わせただけだったか。

小学1年生だった(あ)。はもちろん、ほとんど登山が素人だった(ひ)。も、よくこの路を歩いてくれたものだと感心しながら一ノ沢登山口へ長い路を下って行った。


下山してから、一ノ沢登山口でようやくのラムネ

ちなみに、自身がかつて大天井岳付近から槍ヶ岳を望んだのは35年以上も前のことです。

ヤマレコにも山行記



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