2020年11月3日

31/10/-02/11/20 常念山脈(三股、前常念岳から中房温泉)

パタゴニア

初冬の北アルプス・常念山脈、常念岳~大天井岳~燕岳行ってきました

聡明の槍・穂高連峰

一昨年、昨年に続き大天荘泊をメインとして、今年も初冬の北アルプスに出かけてきました

山行計画はずっと頭の中にあったものの、秋以降は天候に翻弄されてばかりでなかなか決行することができずにいましたが、大天荘の営業最終日が11月3日泊だったことと、同行予定のYくんの後押しもあって、天候にも恵まれた中、なんとか遂行することができました

Day 1 (10/31)

歩き出しがちょうど日の出時刻と同じころだったので
真っ赤に色付いた山肌が見上げられた

標準点櫓跡手前で尾根に上がると左前方の林の間に蝶槍が望めた

長くて急な樹林帯の登りを経た後に現れたこのハシゴの一段々々こそ
次の瞬間、眼前に広がる絶景へと誘う階段だった

蝶ヶ岳との最低鞍部付近越しに穂高連峰山頂部がチラ見せ

モヤのたなびく安曇野と浅間山

富士山と南アルプス・オールスターズ
最後の一段を踏み上げた瞬間、目の前に鳥肌モノの光景が広がった

前常念岳直下の避難小屋

今夏、復活した常念乗越へのトラバースルート分岐点
常念岳山頂と右、常念乗越、大天井岳方面

常念岳山頂を正面に仰ぎながら進む
左遠景は御嶽、乗鞍岳

常念乗越からの稜線越しに南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳と北鎌尾根

常念乗越に建つ常念小屋と北穂高岳、大キレット、槍ヶ岳稜線
意外にも大キレットの長谷川ピークの三角錐が印象的だった

涸沢カール底に陽光が差して輝いていた
左は御嶽、乗鞍岳と霞沢岳

横通岳、常念岳、蝶ヶ岳と中山の左遠くに奥上高地・徳澤付近

横通岳(右)~東天井岳間はハイマツの海を緩やかに行く絶好のロケーション

正面遠くに龍王岳、立山連峰、剱岳・八ツ峰

ようやく大天井岳山頂がはっきり確認できるところまでやってきた
左は鷲羽岳、ワリモ岳と水晶岳

夕陽に浮かび上がる槍・穂高連峰のスカイライン

南望すると左に中央アルプス連山や
はるか遠くに大きな台形の恵那山が見えていた

穂高連峰と南岳
前穂高岳左、わずかに御嶽が顔をのぞかせる

この景観を酒の肴に二人、何を語り合っているのか・・・

夕陽は北鎌尾根の彼方に沈んでゆく

右、Yくんのテントと槍ヶ岳

絶景テント場の夜

夕食後、大天荘・談話室で出逢ったKくんのテントと穂高連峰

Day 2 (11/01)

朝日は奇麗に昇ったが、ほどなくモヤのなかに入ってしまった

昨日、登山口から見上げたモルゲンロートはかなり良かったようだが
今日は期待したようなモルゲンロートには出逢えなかった

有明山、浅間山と、あずみ野に立ち込める雲海

ここからは見渡す槍穂の山容が素晴らしいだけでなく
見下ろす安曇野のようすも同じく素晴らしい

この二人は二人で朝焼けの中、何を語り合うのか・・・

大天井岳山頂より圧巻の槍・穂高連峰

同、槍ヶ岳、北鎌尾根と白山大遠望

硫黄尾根に映し出される影大天井岳
稜線は双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳など

燕岳へ続く表銀座縦走路と高瀬ダム湖
立山、剱連峰、後立山連峰、頚城山塊

東天井岳から延びる二ノ俣尾根と常念岳、大滝山、蝶ヶ岳
遠く富士山と南アルプスが勢ぞろい

縦走路より見る燕岳、北燕岳、合戦尾根の頭に建つ燕山荘

大下りの頭で大天井岳、槍ヶ岳を眺めながら弁当をいただく、この贅沢

蛙岩と大天井岳、槍ヶ岳

山荘手前のゴリラ岩

イルカ岩と燕山荘

燕岳より北望
龍王岳、立山、剱岳と北燕岳稜線、針ノ木岳
中景尾根は烏帽子岳、南沢岳付近

燕岳山頂から南望すれば
穂高連峰・前穂高岳から槍ヶ岳・北鎌尾根まで一望

槍ヶ岳、高瀬川に落ち込む北鎌尾根と西鎌尾根に向かって延びる千丈沢
右、硫黄尾根や奥、笠ヶ岳

三俣蓮華岳と鷲羽岳の奥に黒部五郎岳山頂部がわずかに見えた

槍の穂先よりもさらに尖っているオベリスク

あずみ野から見上げる有明山は存在感があるも稜線からでは影が薄い
有明山はこの時間帯がもっとも美しく見える刻のような気がした

燕山荘より夕照の燕岳

双六岳付近に沈む夕日

このあと槍・穂高稜線は雲に覆われてしまった

燕山荘代表・赤沼健至さんのお話の後、ホルン演奏
お話し上手で聴き入りました

灯りの点いた燕山荘、テント場と燕岳

月光に照らし出される善光寺平、松本平、佐久平や浅間山

松本平、霧ヶ峰、高ボッチ、八ヶ岳連峰や南アルプス北部と微かに富士山

Day 3 (11/02)

予報のとおり雨中の下山

合戦沢の頭展望地には去年はなかったベンチが二基増えていた

目に映るカラマツ林とともにイオウの匂いが鼻につきだすと登山口は近い

中房温泉登山口

大天井岳に向かうのに一ノ沢からにするか三股からにするかで、ずいぶん悩んだ

というのも一ノ沢からは二年前に使ったばかりで、その時は天候のこともあって常念乗越に上がったあと常念岳に向かうことなく大天井岳へと足を向けていた

他方、三股からのルートでは基本、常念岳を経なければならず、となると登山口からの標高差が一ノ沢からより向かった時よりも大きくなる

さらに今年は常念小屋がすでに冬季扱いとされているためエスケープするには常念乗越から一ノ沢を下って、さながら日帰りのような形で下山しなければならない

いわば敗退山行の典型だから、これは避けたい

要は身体への負担が大きくなることへの不安が多分にあり最後の最後までどうすべきか悩みに悩んでいた

最終的に登山口を三股にしたのは同行者のYくんがいたことと、当日の天気がよさそうだったから

結果的には、そうしてよかった

前常念への登りは南・南プスを彷彿とさせる展望のない樹林の急登だった

歩き初めはそれなりのペースで歩けていたが、のちに足が重くなったのは櫓跡のある尾根に出るまでのキツさが負担となったかもしれない

樹林帯を経て現れた天空への梯子を上がると絶景が広がり気分は高揚したが、それに反し足は止まり気味になってしまった

達した前常念からの登りも精神的にはきつかった

ここまでくれば本峰はもっと近いと思っていたからだ

山頂に立つ人影は次第に大きさを増したが時間的なこともあり結局、主稜線の常念乗越からのルートとの合流地点で常念岳に上がるのは諦め、大天井岳へ向かうことにした

時間にして山頂まで、わずか10分程度のところだったが、足元にある積雪と、このあとのことも考えたうえ、これも致し方なしとの選択だった

横通岳から大天井岳間は、ほぼ終始、槍穂の大展望を得ながら、また安曇野を見下ろしながら歩ける素晴らしいルートだが、向かう大天井岳は思いのほか近くない

大天荘に着いたのは16時近くになってしまっていた


コロナ禍の影響でどの山小屋も予約制となり、かなりイレギュラーな山行形態を余儀なくされたが、まんざら悪いことばかりでない気がした

とにかく、小屋泊の場合でも宿泊人数を制限することで寝床にかなり余裕ができたのは大きく、館内全体にも余裕があり、ゆっくりできた

館内の雰囲気もいいし食事も、もちろん美味しい

先日の太郎平小屋では絶対数がかなり少なかったにしても、約6畳の間を二人っきりだったし、今回も本来のブース的な二階建てのカイコ部屋をパーテーションで半分ほどに仕切ったうえ、狭まったブースにあっても、さらに定員は余裕を持たせてあった

繁忙期はどう乗り切られたか定かでないが、最終盤のこの時期としてもかなり少ない定員での利用だったと思う

二日目泊の燕山荘に限っては、夜中に一度も目覚めることなく、これまでに記憶にないほどぐっすり眠ることができたのは、このお陰に違いない(と勝手に思っている)

さいわいにも燕山荘グループはGo Toトラベルにも参加されていたので宿泊料がかなり割安になったうえ、当日、もしくは翌日に限定的な場所でしか使えないながら地域振興クーポンもいただき、これはこれで二日目にいただいた分を最終日のタクシーでしっかり使わせていただき大いに助かった

運営的には色々なことがあって大変だとは思うものの、利用者目線で言わせてもらうと昨今の山小屋は昔のそれとは雲泥の差で、ホスピタリティーの塊のようだ

そのホスピタリティーにどっぷりお世話になっている一人がココにいるのだが、今の若い人はこの現実をどう捉えていて、将来はどうなっていくのか

いずれにしても山小屋経営も大いなる転換期を迎えているのかもしれない

小さい話に戻すと、一日目はややヘロヘロ気味で、一時はどうなるものかと危惧したりもしたが二日目、三日目の行程をかなり余裕を持たせたものしていたことで三股からのルートを歩くことができ、わずかながらこれからの山行にも自信につながるものができた気がした

北アルプス入門の山とされる燕岳と、槍・穂高連峰の大展望を得られる大天井岳とを結ぶ表銀座縦走路の一角を占める今回の常念山脈は、この上ない展望を得ながら歩ける縦走路であることを更に深く印象付けられた

槍ヶ岳が大好きな自身としては、機会があれば是非、大天井岳からのこの上ない素晴らしき超絶景を多くの人に観てもらいたい


下山後、乗り合いバスと、燕山荘で予約しておいたタクシーを乗り継いで三股まで帰還した

ほぼ満車の駐車場

ポツンと一台のみ
到底、同じ場所とは思えない三股登山口のビフォー、アフター

長文、拝見、拝読ありがとうございました

photo, エクスペディション(日帰り以外の山行), 山小屋泊山行, 山歩き、登山,

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