2006年5月27日

棚田で見た日本の原風景

5/27
田植えの時期を迎えたと思い佐用町、乙大木谷の棚田に昨秋以来で出かけた。

タイミングよく、そこには田植えをして間もないものや、まさに今、その真っ最中の田んぼがあった。

道端に車を止め、写真を撮っていると、すぐ下の田んぼで代掻きをしている人の家族らしい小さな子供二人を連れた女の人がこちらに来て、いかにも今、捥(も)いだばかりのえんどう豆を差し出し、
「よかったらどうぞ。」
こう、妻に声を掛けてくれた。

この女性は、子供の歳を見ても分かるように、決して歳をとっているわけでなく若い人だった。年配の人がこのような行為をするのは、うなずけるところもあるが、そうではなく、むしろ若い部類に入る人が声を掛けてくれたことに驚きがあった。

もちろん妻は遠慮することなく快くいただいたようだが、今となっては都市部では”おすそ分け”ですら物を分け合うことすらしなくなってしまったことを思えば、かつては頻繁に行われていたような記憶のある近所同士で物を分け合った昔ながらの風景を、小さな山里で見た気がした。

山の上から下へと流れ落ちる水の流れをそれぞれの小さな田んぼに引き入れることにより成り立つ棚田の風景と、その山合いの村で暮らす人から受けた暖かい心遣いに、忘れかけていた日本人としての心の原風景を見た。


人と人とのかかわりが希薄な今の世の中、田舎の人も街の人も、実はどちらの人も人恋しいに違いない。

画像は棚田の風景と棚田の中で時折見かけた葉タバコ畑


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2006年5月21日

里山の風景


5/21
近くの山に上がり瀬戸内の海を見た。

想い返すと、これまでに何度か上がった小富士山だが、新緑のこの時期に上がったのは初めてのような気がした。

短い緑のトンネルを抜け、小さな岩場を歩くと、20分ほどで神社の境内でもある山頂に着く。

南方面を見下ろす岩のテラスに腰掛ければ、それなりの高度感で瀬戸内の海を近くに見下ろすことが出来る。

あいにく霞みがかかり遠望は思ったほど利かなかったが、眼前の山すその新緑はこんな低山でも目に鮮やかだ。

中景を真横に横切るバイパスをひっきりなしに往来する車の列や、その巨大人工物の手前の奥山集落と、向こうに長閑に広がる沿岸部・白浜の町並みの風景を、しばらくはその岩に佇み楽しむ。

下山は西の仁寿山方面へ。

小さなピークの先で送電線の鉄塔方面へと足を向けると二つの鉄塔脇を経て、やがて奥山集落の墓所に下山した。

登山口の麻生神社へは左へすぐ。
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白い花

5/21
先の連休は全体的に見ればそれなりの好天に恵まれたものの、それ以降はあいにく梅雨の走りを思わせるような天気が続いていた。

これには「早くも入梅か?」とのよからぬ思いも頭をよぎったが、昨日の午後からはようやく、いかにもこの時期らしい清々しい陽気になり、ひと安心。

今日は朝から快晴だから、たとえ近くの山にしろどこかへ行きたいところだが、なぜだかモチベーションが上がらない。

「こんな日は庭の樹でも見て楽しむか」。

家の庭のエゴノキがこれまでになく見事な花を咲かせている。
先日書いたタニウツギは予想に反しそれなりに濃い色の花を、それも沢山の花を咲かせ、目を楽しませてくれた。
その花も、ほぼ花期を終えたとも思えるが、入れ替わるように花を付けかけたのが、このエゴノキ。
いつになく多くのつぼみを付けていたから、咲く花が多いのは当然と言えば当然だが、小さいながら真っ白な花びらは”清楚”そのもの。

花の時期を迎え近くの里山でも、きっとあちらこちらで可憐な花を咲かせているに違いない・・・。
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2006年5月8日

Stair Way To Heaven

黒部源流を岩苔乗越に向け登高する 5/8
日を追って”実”に戻るにつれ、先日の双六山行が”虚”に思えてならなくなってきた。

それほどにあの空間は異空間だった証か。

地に足を着け、あれほど歩き滑ったはずなのに、あたかもそれが、まだそう時間の経っていないこの時点で既に”虚”だったように感じさせるものは何なんだろう。

そこは、あの場所に身を置いたものにしか感じ取れない、限りなく”実”ではない場所だったようだ。


"Stair Way To Heaven"
とりわけ”虚”の極地とも感じた黒部源流の登高は、まさしく天国へと続く階段にほかならなかった。
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2006年5月6日

北アルプス、双六岳周辺テレマーク・ツアー

5/3~5
念願叶い、双六テレマークツアーに行きました。
北鎌尾根~槍ヶ岳・大槍
滑降の腕がおぼつかないので(歩行も決して早いとはいえませんが)、上手い人のようには行きませんでしたが、それでも槍~穂高連峰の雄大な光景を見ながらの歩行や滑降は焦がれていただけのことはあり、あの広大な斜面のごく一部にせよ自分なりのシュプールを描けて大満足の山行でした。

山行中に出会った方々にも恵まれたことで、良い山行との印象が余計に強く残りました。

桐生市の沢井さん、穂高町の林さん、茨木市の松村君、ありがとうございました。


画像は弥助沢上部より見る、ド迫力の北鎌尾根
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