
三嶺近辺におけるニホンジカによる食害は二年前に見た時、すでにひどく感じたものだが、今回はその影響はさらに深刻なものとなっていたのが率直な意見だ。
山頂部をぐるりとシカよけネットを張り巡らせ、何とかそこだけでも保護しようとする作業が進行中であることが、今の状況がいかに深刻であるかを見てとれた。
それによる被害の最たる場所のひとつが、中腹のさおりが原。
ネーミングの経緯は割愛するにして、本来、足下から空に至るまでぐるりと緑に囲まれ、この上なく素晴らしい景観を享受できた、あのさおりが原が、かつてとは違う場所に来てしまったかと錯覚させるほど豹変してしまっていた。


稜線上のカヤハゲ付近も以前とは比較にならないほど林が後退。
道標の立つ山頂付近は、まるでハゲ山のようで、かつては灌木を縫って付いていた北側の登山路も今は草付きどころか枯れ草のなかの道となってしまった。
この様子では、いくら展望が利くようになっても嬉しくはない。


稜線上や頂稜台地に新たに出来ている池塘は何を意味しているのか・・・。

しかし、今、何らかの策を講じないと近い将来、三嶺が三嶺でなくなってしまうに違いない。
この山を愛する者のひとりとして、緑に溢れた三嶺が将来にわたり遺されることを望んでやまない。
・・・つづきを見る