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2018年11月5日

03-04/11/18 中天井岳でみるマジックアワー

パタゴニア

北アルプス・大天井岳に行ってきました。


有明山、安曇野と壮大なスケールで繰り広げられるマジックアワー magic hour

この日の夕刻、日没後に目の前で繰り広げられた光景は、これまでに山上で朝日や夕陽を見たことがないわけでない自身にとって、もっとも素晴らしかったともいえるものだった。

よく、夕日が沈んだ後の素晴らしい空の色合いのことをマジックアワーというが、これこそがマジックアワーであり過去に見た夕景はそれではなかったことになってしまった。

オレンヂ色ではなかったものの水平線から上空にかけて濃いピンクから次第に淡くなりながら空の色へと変わりゆくグラデーションは、見事なまでに美しかった。


ブルーアワー blue hour/ブルーモーメント blue moment に映える槍・穂高連峰


槍ヶ岳と星空


朝日の当たる槍ヶ岳


ブロッケンを伴った影大天井岳稜線

あたかも実像のように見える硫黄尾根上部に映る稜線は、朝日に照らされた雲に映し出された大天井岳の影です


中天井岳で朝の光景を撮る

この日の山行記はヤマレコ

中天井岳より見るパノラマ



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2018年10月22日

20-21/10/18 樅沢岳と双六岳

パタゴニア

北アルプス、双六小屋の小屋閉めの日を狙って双六岳に行ってきました。


夕刻、樅沢岳よりみる雲表の槍ヶ岳・大槍と大喰岳、中岳
以前、樅沢岳から槍ヶ岳を望んでから実に18年の歳月が流れました

最近、しばしばこんな言い回しの書きかたをしている気がしますが、今回も多分にもれず本来の目的は双六岳に行くことではありませんでした。

先月、薬師岳に出向いた際、どうしようか迷った黒部五郎岳に登ることこそが第一の目的だったのですが、その中で第二の目的地だったり、そこへの経路としてあわよくば的に考えていた樅沢岳と双六岳を主目的地としての山行となってしまいました。


夜明け待つ稜線 樅沢岳にて
大天井岳~横通岳と北鎌尾根・独標、大槍、南岳・獅子鼻稜線


北鎌尾根の小さな岩稜、岩塔までがくっきりと朝陽に映し出されています


独標と朝陽


北鎌尾根・北鎌平~大槍~飛騨乗越


朝日がきらめく様子は自身も含め4人で鑑賞しました
中央に西鎌尾根が槍ヶ岳へと続きます


双六岳の代表的景観
頂稜台地と槍ヶ岳・北鎌尾根と大槍、大喰岳、中岳のシルエット

ともすれば山行がイマイチだったかのような印象ですが、結果的には二日目には絶好の好天に恵まれ、前日午後から降った雪のお陰もあって北アルプスの素晴らしいダイナミックでパノラミックな景観を目の当たりすることができました。

パノラマ動画

好天に勝るものはない典型の山行で、晩秋のこの時季はいつ本格的な降雪をみてもおかしくない時期なだけに山に入る人はそれなりの人ばかりで、みなさん大きなご褒美をもらった感じです。

時間を惜しんで速攻ピークハントもイイですが、せっかく上天気の日はのんびり景色を愉しみながら山を歩くのが最高の贅沢です。


結氷の双六池と笠ヶ岳、抜戸岳


鏡平・鏡池と槍、穂高連峰

最後に見た鏡平からの景観は、この地に限っては今年一番の景観ではなかったかと思わせるほどの筆舌に尽くしがたい素晴らしいものでした。


双六岳より見る黒部五郎岳
右、北ノ俣岳

今回も黒部五郎岳に向かうことはできませんでしたが、遠い存在として今後の楽しみにとっておくことにします。

他の画像や記録はヤマレコ

ちなみに、当ブログの表題画像中、DIARYの"A"の下方の台地ピークが樅沢岳です。



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2018年9月25日

23-24/09/18 北ノ俣岳と薬師岳

パタゴニア

北アルプス・黒部源流域、北ノ俣岳と薬師岳に三木・Yくんと行ってきました。


夕食準備に追われる薬師岳山荘・厨房の窓越しに槍ヶ岳を望む

そもそもの予定は23日、日帰り薬師岳だった。

予定通り行かなかったまず第一は前日のうちに有峰林道を通過できたこと。

到着が19時25分だったこともありゲートは当然のように閉まっていた。

管理人の姿はあったので、ならば当然の如く頼み込むに決まってるでしょ。

小銭の持ち合わせがあったことが功を奏したかどうかは知らないにしても、再度ゲートを開けてもらい通過したのだった。

本来ならココで一夜を過ごすつもりだったので、良い方の予定外だった。

折角、早発ちできる恩恵にあずかったのに朝の出発は6時とした。

天気が読みにくいことが遅い出発とさせ、これが後に少し後悔の念を持たせる結果ともなった。

この夏の天候不順は今になっても、その傾向を引きずったままで秋っぽくなってきた今になっても計画を立てることすらままならない。

同じルートのピストンなら復路がライトが必要な時間になってしまっても往路の際の記憶に任せて歩けば問題ないだろうとみて、こんな時間からの行動開始となった。


今日に限っては久しぶりの上天気。

名物・アラレちゃんをみて三角点まで来ると正面左に大きな山容の薬師岳や左手、大日連山の向こうに剱岳が顔を出してくれた。


五光岩と弥陀ヶ原、大日連山、剱岳

これから太郎平までは傾斜は緩いが距離があり、足元も決して良いとは言えない状態なので思った以上に歩きづらい。

太郎小屋の稜線はず~っと先にしか見えない。

こんな比較的ゆるい傾斜の登山路が続くので、今日のこの後の行程のことをずっと考えながら歩いていた。

この天気、日帰りで薬師だけというのは勿体な過ぎる。

ならば、どうすべきか。

天気がよければ朝日も見たい。

というより、これが第一の目的かもしれないから外すことはできない。

となると、太郎小屋は不適でさらに二時間先の薬師岳山荘小屋に泊まらなければならない。

薬師はもちろん、黒部五郎も魅力的だ。

でも、五郎まで行ってきてさらに薬師岳山荘まで歩く元気はあるだろうか。

足は逝ってしまわないだろうか。

カメラと三脚は用意してきた。

明日の天気も予報よりも好転して昼頃までは持ちそうな気配。

雲ノ平に泊まる、ってのもアリかもしれない。

なんとか朝日は見れるものとして、とりあえず五郎までの道中の北ノ俣まで足を向けることにしよう。


太郎平から遥かに白山を望みながら北ノ俣岳へ

太郎山の辺りは右手遥かに白山を望みながら鼻歌混じりのお散歩道だ。


マイナーな北ノ俣岳といえど、山体は立派

双六と丸山の稜線の上にとんがり槍さんの先っちょ見っけ。


三俣蓮華~丸山の鞍部に思わせぶりにとんがりの先っちょを見せる槍ヶ岳

振り向いて見る薬師は稜線左に剱さんが顔をのぞかせ東南尾根がどっしりバカでかっ。

三俣蓮華の右は丸山で、その右の三つコブは左が双六と右端が南峰だよ。

正面、五郎の右には笠さんや乗鞍さんも。

雲ノ平の向こうだから影は薄めだけど、もちろん鷲羽も。

すぐお隣のワリモ岳もちょっととんがってイキがってるみたいだね。


水晶岳を借景に悠然と青空の黒部源流上空を舞う猛禽類
実はこの鳥の下方には少し小さめの鳥類が写っているが、この後の顛末は知る由もない

水晶も、さすが百名山だね。とってもカッちょいいよ。

ここにきて槍が解らない人が居るはずはないだろうけど、果たして皆は他の山のことは解ってるのかな~。

それにしても、こんなに楽しく山座同定できる散歩道はほかにあるだろうか。

展望を愉しみながら緩やかに高度を上げると薬師沢左俣源頭部をトラバース気味に北ノ俣岳へ。

有峰林道が閉鎖される期間には、このエリアへの一般的なルートになる飛越トンネル、寺地山からの飛越新道を右手から合わせると間もなく山頂。


東南尾根を従えた大きな山容の薬師岳
左肩に早月尾根稜線と剱岳山頂部が覗く

着いた北ノ俣山頂展望台は北アルプスど真ん中で、素晴らしさこの上なし。

鷲羽乗越の先は本日、初見参の大天井岳かな。

登山路開通するって言ってた御嶽さんも見えてるよ。


北ノ俣岳山頂より黒部川源流部を望む

ところで、正面に見える黒部五郎は少しは近づいただろうか。

ここから往復して、さらに太郎小屋、薬師岳山荘までなら、まだずいぶん時間が掛かりそうだ。

折立出発が、もう少し早ければ時間に余裕ができていたはずだけど、それよりも足の心配もしないといけないのが現実的かな。

目の前の赤木岳までならの考えも頭をよぎったが時間が12時近くになったのと、明日の天気も良さそうだし、ここは大人しくUターンすることにしよう。


眼下に有峰湖と彼方に富山湾、能登半島

太郎小屋までの道のりも決して近くない。

遠目から見るとたおやかな稜線にみえるこの付近も、登山道はガレていて足元の良くない場所もあるので十分注意して歩く。

晴れていてこれだから雨が降っていれば時間的に余計にかかるし精神的にも疲れるだろう。

太郎小屋のネパールカレーで空腹を満たしたら山荘まで頑張るとしよう。


彼の顔を立てたからではなく
普通のカレーが売り切れだったのでネパールカリー

太郎平一帯は木道が多く敷設されている。

一見歩きやすそうだが雨が降っていればもちろん、朝露が降りたりして濡れていれば大変危険で、植生や登山路の保護の観点から致し方のないことだが歩行には十分注意する必要がある。

薬師峠がキャンプ指定地。

水は豊富だが、ここからは黒部五郎や北ノ俣は見えるが他の山は見えないのは残念。

鞍部だから仕方ないか。

薬師岳方面へ沢地形の、やや歩きづらい急登をしばらく登ると薬師平。


薬師平の池塘

小さな池溏もあり鷲羽岳、槍ヶ岳、三俣蓮華岳、双六岳など黒部川を取り巻く山々もよく見えるようになる。

テント泊で良い景観にありつこうとするなら、ここまで乗り上げる少し余計なアルバイトが必要だ。

山荘へ向けて最後の登りも薬師沢右俣の見事な黄葉に励まされ頑張り甲斐がある。

振り返ると北鎌~槍~奥穂・ジャンダルムまでが一堂に姿を見せてくれるようになり、眼下には薬師沢右俣源頭部から黒部川へと続く渓や沢。

さらに彼方へと続く、これぞ北アルプス的景観の山並みが素晴らしい。


奥に見えるのは黒部五郎小舎の鞍部や秩父岩付近のスカイライン

三俣蓮華岳から見ると黒部の主は、まさしく源流に位置する鷲羽岳だが、この付近から見ると名前にその名を冠する黒部五郎岳といっても過言でない存在感。

次第に大きくなる正面の薬師岳はハイマツの緑と山体の白さが特徴的で、見上げる青空とのコントラストも素晴らしい。

小さなコブを巻くとタルチョで飾られた薬師岳山荘に到着だ。


タルチョの掲げられた薬師岳山荘と薬師岳

夕日の時間帯はちょうど食事の時間と重なっていた。

食堂からでも夕陽は見ることができるが、幸か不幸かダメっぽかったので食事の時間を残念に思うことは全くなかった。


薬師岳山荘のタルチョが夜空にはためく

午後からは少し雲が出たが夜になっても星は見えていた。

明日、十五夜らしく東の空には月が大きく輝いていた。


月光下、その姿をくっきりと映し出す槍~穂高連峰稜線


砺波平野の夜景
夜が更けると明かりが増して、それなりに見場はあった

3時起床、出発は4時前だった。

山頂には45分ほどで着いたので日の出にはまだ1時間の余裕があった。

二人っきりで独占的に、あれやこれや撮りまくる。

三脚があれば何でも来いだ。

昨夕、食事の際に食堂で目にしたTJAR選手たちの薬師岳での写真を真似て暗闇の中、何枚か撮ってもみると、まんざらでもない今までにない違った趣向の画像が撮れた。

自己陶酔の極み。


暗闇の薬師岳山頂

いつもは単独行なので、こんな画像にありつけると違う愉しさを見いだせた気分だった。

小屋を出た頃はあまり寒さは感じなかったが時間とともに風が強くなり気温も下がり気味。

それでも決して震え上がるほどのことはないので、これくらいなら上出来か。


山頂に向かってくるライトの灯り
右下が山荘の灯りで大遠景は御嶽

快晴ではないものの空がすっぽり雲に覆われているわけではないのでちょうどいい具合に雲が焼けて良さ気な光景に出逢えそうな予感。


日の出間際の山頂


朝日を待つ人たち

次第に東の空は明るくなり、やがてその時はやってきた。


ご来光

裏銀座縦走路の起点、烏帽子岳~三ツ岳間、ちょうど烏帽子小屋の彼方、稜線奥の唐沢岳左からの日の出だった。

日の出自体は大したことはなさそうだったが上空に広がる雲を赤く染めるさまは中々だった。


標高が上がることで槍~穂高連峰も
北鎌尾根独標から西穂高岳独標付近まですべて見えるようになる

日の出の後も、もうしばらくは素晴らしい光景があることを知っているつもりだ。

朝の光景の素晴らしさは日の出そのものだけではなく、その後のしばらくの時間帯こそとっておきの時間なのだ。

もちろん、もうしばらく長居する。

薬師岳からの眺望も、昨日の北ノ俣岳に負けず劣らずか、それ以上に素晴らしい。

さすが、どちらも黒部源流域の山深いところに位置するだけのことはある。


北薬師岳と大日連山から剱、立山へと稜線が連なる
雄山の手前は五色ヶ原台地

山頂からは北の至近に北薬師と中景に五色ヶ原や彼方に立山(雄山)、剱へと続く。

右は後立山連峰、針ノ木、蓮華岳と続き裏銀座の烏帽子、三ツ岳、野口五郎から水晶へ。

赤牛さんも忘れちゃいけないね。薬師見平も見えてるよ。


砺波平野に大きな影を映す影薬師

この時間、黒部川の深い渓は斜光の朝もやに包まれた眠りの中。


黒部峡谷、上ノ廊下に日射す

南は昨日もずっと見てきた名峰の数々。


南望しても素晴らしい景観が広がる

結局、山頂では二時間近くにわたり眼前に繰り広げられる壮大イベントを堪能した。

好天に勝るものはないね。

あれやこれや悩んだけど今回の計画遂行はこれで大正解だった。

小屋へ戻り遅い朝食を摂ったら下山しよう。

太郎小屋までの道のりはいくら見てても飽きないほど見どころ一杯。


見下ろす薬師沢右俣の黄葉と雲ノ平を回り込むように流れる黒部川本流
鷲羽乗越、三俣蓮華岳~双六岳稜線の奥に槍~穂高連峰


薬師峠近くで見た紅葉の木と北ノ俣岳

今回行けなかった黒部の五郎さんには機会を見つけて足を向けることにしよう。

黒部の五郎さんだけでなく野口の五郎さんも今日はしっかり見たし、決して忘れてないよ。

太郎平から折立までは当然長い。

三角点から下も意外と歩きづらい。

アラレちゃんまで来ると飽き飽きする。

太郎平から折立は2時間ちょうどで無事下山。

見上げると雲が広がって晴れ間は見えなかった。

小屋で聴いたところでは昨日は朝10時頃から天気回復したらしいから、朝日を見るには今日がベストのタイミングだったようだ。

素晴らしい景観を提供してくれた薬師岳に感謝して次の山行に備えよう。


おまけ


ただならぬ存在感
ランドローバー・ディフェンダー / LANDROBER・DEFENDER

長文にお付き合いいただいたことに、お礼申し上げます。

ありがとうございました。



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2017年5月5日

04/05/17 龍王岳、立山(雄山)・山スキー滑降

パタゴニア

春の立山・山スキー滑走してきました。


剱岳を背景に山崎カールへと滑り込む

昨年も同時期に訪れた春の立山。

その時の悪天とは打って変わり絶好の好天に恵まれた今年の春の立山で、龍王岳・北東カール、立山・雄山神社社務所裏斜面と山崎カールの3本を久々のツアー参戦の(あ)。と二人、滑ってきました。

日程的な制約により室堂泊の基本日帰りなので、頑張って3本です。


大日岳山裾に沈む前日の夕陽


朝陽の当たり始めた奥大日岳
朝陽に映える大日岳の雪稜は美しいです


黎明の立山連峰


一ノ越目指し歩く
左が雄山方面


一ノ越へのルートを外れ龍王岳、浄土山方面へ


一ノ越上部で稜線に乗り上げると針ノ木岳が迎えてくれる


ライチョウさんも


背後に雄山や真砂岳


浄土山稜線に乗り上げると今回、最も素晴らしい景観が出迎えてくれた
大天井岳~槍・穂高連峰、笠ヶ岳、黒部五郎岳~薬師岳の黒部源流の山々や
野口五郎岳、水晶岳、雲ノ平、五色ヶ原の大パノラマ


右手彼方に白山連峰


この時は二人のおじさんと我々二人の四人だけでこの大観を独占


龍王岳・北東カール

下るほど雪は重さを感じるようになるが、雪面がきれいなので快適に滑れる。


カール中間部より見上げる雄山

この後、一度、稜線を乗り越して、朝ハイクした室堂方面の谷筋を一ノ越へ向け滑る。

小休止後、雄山へ向けハイクアップ。


一ノ越に戻った後、ハイク経て雄山山頂着


雄山神社と後立山連峰

ハイク途中、短く同行だった二人のボーダーは昨日に別山沢を滑り、今日は右の御前谷を滑走して下山すると話していた。

見下ろす右の尾根に乗越した跡が確認できたので黒部平へのルートに迷いはないだろう。


社務所裏の我々のドロップ・ポイントより大日岳

斜度はあっても35~40度程度かな。


大日岳や室堂を正面に見て滑降


社務所裏よりストレートに斜面を滑る


二ノ越(?)付近で


一ノ越に戻り、再ハイクに備え腹ごしらえを兼ねて大休止


静まり返った二度目の雄山山頂
我々以外に二人のみ


山頂・雄山神社は一度目

二度目の雄山登頂の際に神社に参ろうと、一度目はあえてここまで足を運ばずドロップしていた。


正面に大日岳、室堂、右手に剱岳をみる山崎カールエントリー部
この上ないロケーション

小尾根左手にきれいな斜面が残っていた。


山崎カールへ滑降


雄山神社を背負う形でカール最上部を滑走


山崎カール名物、ローソク岩(右腕のすぐ左)と


剱岳と剱御前、別山、真砂岳


大日連山と雷鳥平テント村


ローソク岩下の腐れ雪を滑走して終わり

雪質は重いばかりで、この先下っても楽しくなさそうなので登り返しのなきよう室堂へ向け左トラバースで滑った。


1st track
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2nd track
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3rd track
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一本目の龍王岳・北東カール、二本目の雄山神社社務所裏斜面の滑走は、そもそもエントリーする人が多くないこともあって、かつ、時間的に雪温上昇も抑えられていたことも手伝って快適に滑走することができた。

龍王岳は山頂からの滑走も視野にあったが山頂までのハイクに時間が掛かることや、山頂直下がややルンゼ状になっていることで危険回避の意味でキャンセルして富山大小屋付近からカールへと滑走した。

多くは一ノ越までハイクして御山谷をそのまま下方へか、あるいは東一ノ越方面へ滑るように見たが、御山谷は傾斜が緩く決して快適滑走とは言えず、ここは浄土山方面へもうひと頑張りするほうがより快適斜面にありつける。

御山谷は入門者向き。

二本目の社務所裏斜面のエントリー部は山崎カールのエントリー部でもある。

すぐに右へ逃げれば山崎カールへ、そのまま直に滑り込めば今回滑った斜面となる。

ハイクする際、ここを滑り降り上手く左へ逃げれば滑降後ハイクアップすることなく一ノ越に戻れるだろうと目論んでこの斜面を二本目の斜面とした。

下から見上げたとおり、中々イイ斜面で一ノ越へもハイクアップすることなく上手く帰還できた。

最後となった三本目の山崎カールの滑走は、ある意味今回のメイン滑走と考えていたが、あいにく時間経過によりバーンはずいぶん荒れていた。

また、雪温上昇も伴ってお世辞にも快適滑走とはいかなかったが、眼前に広がる室堂平や大日連山が魅せる見事な景観や、北方には天を突く剱岳が見晴るかせ、この上ないロケーションで滑走できる歓びに満ち溢れたスキーだった。

ヤマレコ



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2016年10月11日

09-10/10/16 白峰三山

パタゴニア

秋の連休を利用して奈良田基点、広河原から白峰三山(~北岳~間ノ岳~農鳥岳~奈良田)に行ってきました。


間ノ岳~中白根と北岳山荘

別画像は
南アルプスの山 白峰三山 にも

山行記録はヤマレコ



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2016年5月6日

04-05/05/16 剱御前小舎を訪ねて

パタゴニア


色々悩んだ挙句、今年のGWは立山方面に行くことにした。


剱沢より見上げる剱岳 前剱と八ツ峰を従えた姿は威風堂堂として素晴らしい
モデルは横浜国立大山岳部のお二人

机上での悩みの種は天候が安定しないこと。

ここ数年はGW前半は芳しくない天気があるが、後半になるとそれなりに安定した日が何日か続いて好天に恵まれることが多いとの印象だが、今年はどうもそうはいかない様子。

できればシーズン最後のこの時季に槍穂付近に行きたい思いがあり、本年は冬の降雪量が少なく長いアプローチを強いられる北アルプス南部では例年にも増して歩きが長くなりそうなので、さらに悩ましい。

長期に渡り、べったり休めない自身にとっては休日の並びも良くなく、これらを上手く結び付けようとすることがイケないことは重々承知なのだが、何とか工面した結果こうなった。

ひとくちに天候といってもいろんな要素があり、今回は特に風に悩まされた山行だった。

幸い、山中では雨や雪に遭わずに済んだが、それでいいかといえば決してそんな単純なことではなく、風こそが最大の天候の要素ではないかと思い知らされた。

それにより雄山山頂から山崎カールの滑走はピークに立つどころか、それ以前の一ノ越からの登り始めで危険を感じハイクを断念。


中央上部の鞍部が一ノ越
中央付近に写る、いくつかの小さな点はスノーヤー

ひとつの大きな目的としていただけに残念だったが、これも安全第一で無念さはない。

もう一つのメインと考えていた真砂沢か別山沢の滑走も実現できなかったが、気持ちは同じ。


この頃には稜線のガスは晴れていたが
風は相変わらず強く吹いていた

昼夜にわたり吹き荒れる風に雪面が固くなってしまったことは、やや想定外だった。

冬に比べると暖かい風とはいえ吹き方が尋常ではなく、それも一日中吹き荒れればこんな結果となってしまうようだ。

剱沢は朝、やや早い時間帯だったこともあり雪は全く緩むことなくガチガチで快適な滑走は出来ずに終了とした。

そんななか、二日目の悪天を予想して別山乗超までハイクしたその足で一日目に滑った雷鳥沢は快適滑降できた。

また、その際のトラックログは翌日のホワイトアウト状態での下降時にも大いに役立ち、大変有意義だった。

立山に決めた時点で御前小舎の坂本さんに会えるのも大きな楽しみとした。

かつて、秋の早月尾根からのルートの際にここへ下ることも選択肢にあったが、別山尾根の渋滞情報を剱岳山頂で聴いてあきらめたこともあったので、数年ぶりにお会いできたことは大きな目的を達成できた感があった。

今や23歳になった(あ)。とともにお会いできれば、これがベストだったが、聴くところによるとこの8日で山を下りられるとのこと。

折角会えたのにちょっと複雑な気持ちにもさせられた。

いずれまた、お会いできる日を楽しみとして、今回のツアーの締めくくりとしよう。


左から坂本さん、薬師沢小屋の大和さんと私

他の画像はこちら


Ski Tracks


1st track
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2nd track
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3rd track
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4th track
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2015年10月13日

12/10/15 盟主・赤石岳

パタゴニア

これぞ南アルプスの盟主、赤石。

なかなか過酷な条件下、赤石岳に行きました。


新雪をまとった赤石岳は盟主にふさわしい見事な姿を披露してくれた

山行の詳細はヤマレコ

他の画像はこちら

今年度、赤石小屋の冬季小屋は建て替え工事中に付き使えず(基礎部分しかない)、本館2階部分の一部を開放して、それに充てるようだ。

ちなみに、この工事に関連して一か月ほど前から行方不明になっていた、この工事関係者の方は先日、遺体ではあったものの本流近くの沢で発見されたと椹島と赤石小屋で聞いた。

ちょうど他の3名の工事関係者の方とも小屋で話す機会があり、年内の工事は終わり14日の葬儀に出席するため、明日12日に下山されるとのことだった。

入山以前から遭難のことは知っていたので足下には十分注意しながら歩いたが、自身は入下山時とも特に問題視するような危険な個所はなかったように感じたのだが・・・。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。



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2015年5月7日

03-05/05/15 大喰岳から2本の滑走

パタゴニア

北アルプス、新穂高から槍平、飛騨沢を経て槍ヶ岳のピークに立った後、その南に位置する大喰岳から南東カールと、南岳との間に西の飛騨沢へと落ちる中ノ沢滑走しました。


穂高連峰と御嶽、乗鞍岳 大喰岳山頂にて

槍ヶ岳はどこから眺めてもカッコいい。

遠くからならシンボリックだったり、ランドマークだったり。

近くからなら穂先が鋭く天を突き、その大きさに圧倒されるばかりだが、南からのそれはちょっと右に首をかしげ表情を和らげているようにも見え、違った表情を見せてくれるところが、これまたイイ。

そんな大好きな山、槍ヶ岳に、今年もスキーを携え行ってきました。


槍平をあとに、しばらくすると穂高連峰、奥丸山の向こうに乗鞍岳が見えてくる


飛騨乗越手前で見かけたライチョウくん


ようやくたどり着きました、飛騨乗越
やや手前から雪切れしていて、まいりました


♫♫ヤリよ~り~た~か~い、鯉の~ぼ~り~♪♪♫
この時期、槍の肩では穂先の他に鯉のぼりも出迎えてくれます

一日目は何とか天気は持ったものの、二日目は一転、終日雨に降られ小屋に缶詰でしたが、翌日は晴れてくれました。

二年前にもみた、あの景観を再び見れたら文句はないはずでしたが、、、


二日後の朝、笠ヶ岳が良い表情を見せてくれました


もちろん、こちらも


時間の経過とともに、やや赤らみましたが、
これ以上は染まりませんでした


奥丸山、大木場の辻と新穂高温泉郷を覆う小さな雲海


テント場より富士山と南アルプス、甲斐駒ヶ岳、白峰三山
マイテントではありません

穂先へは三日目の朝、上がりました。

見てのとおりと小屋の人や実際に行ってきた人たちの情報を合わせると、穂先への登路に雪はなくハシゴやクサリも出ているようです。

一見、夏と同じと思いきや、そんなことはあるはずがありません。

曲者は一日中降っていた昨日の雨と、この地の標高と朝の気温です。

核心は最初でもあり最後でもあるクサリまでの部分。

岩が凍ってテラテラで、めっちゃ怖いです。


槍ヶ岳山頂


水晶岳(左端)をはじめとする裏銀座の山々と立山、剱方面


笠ヶ岳の彼方に白山がその名のとおり白く輝きます


しばらく独り占めだったあと、フランス人の彼と二人でした


大喰岳、中岳、南岳へと続く稜線と穂高連峰、彼方に乗鞍岳、御嶽
ハイクした日も、この日も御嶽に噴煙は見られないようでした


常念岳と遠く浅間山
常念乗越の下方に松本平が望めました


槍ヶ岳山荘全景と、不遇な奥丸山

自身にとって最もヤバかったのは小屋前の水たまりが凍ったところでしたけどね・・・。

もう少しでひっくり返るところでした。最後まで油断は禁物です。


大喰岳より


この時間になると早朝よりも天気、見通しがよくなり
笠ヶ岳~抜戸岳稜線の彼方に白山連山が茜色に輝いてよ~く見えました


水晶岳、野口五郎岳と肩の小屋の奥に立山


大槍、独標と燕岳方面


これぞ大喰岳を代表する景観
雪原と、とんがり頭


大喰岳にて

大喰カールの滑走は快適で、時間調整の甲斐がありました。

登ってくる際に出会った人からは、
「まだまだアイゼンの歯も刺さらないほど固いです。」

との情報もいただきましたが、この頃から陽も照りだしたこともあり、雪は次第に緩んでくれたようです。

かといって、あまりのんびりし過ぎると緩みすぎるのがいけないところ。

ちょうどいいタイミングで滑ることができました。


大喰岳山頂から南東カールを滑り、
東尾根に乗り上げると長躯、槍沢と大槍を望めました

本当は天狗原から槍を見たかったのですが、山頂から見下ろすと左に短いながら顕著な尾根が見えます。

「ここなら槍が見えるはず。」

バッチリでした。

滑走はあまりできませんでしたが、この景色を見れたら満足です。

それに、ここから槍を見た人はそう多くはないでしょうから、ことさらです。

この時期限定のコスパに優れた槍の展望台かもしれません。


中岳を背景に大喰カールを滑る後発のスキーヤー


大喰カールを下るスキーヤーと横尾尾根、屏風の頭
天狗原は中央を横切る岩尾根の陰で、ここからは見えていません

この尾根も、まだ雪が緩んでなくて山頂までシールで上がることができ、大いに助かりました。

あとはメインともいえる中ノ沢の滑走。

稜線の東面には雪はしっかり着いていますが、西面の中ノ沢を滑るには寡雪の今年、中岳の基部まで行かなければならず、少々煩わしさを伴います。


山頂に戻り二本目の滑走
雪は不安定で過去、最もリスキーなトラバースでした

カール最上部の滑走はかなり、というか、これまでで最も不安定で危険度の高いものでした。

何せ、ここで雪が切れると雪庇もろともカールの底まで流されアウトっぽかったですから。

ほぼ同じ標高を保ちながら変わり行く足元の雪質をスキーを通して感じながら滑るのは初めてのことだったので、まったく生きた心地がしなかったですね。

結果的には素直に稜線を歩くのがセオリーだったと、大いに反省材料となりました。


中ノ沢上部より雪のない大喰岳山頂部・西面を見上げる
山頂からの豪快ダウンヒルが色んな意味で理想的

スキーブーツという硬い材質の素材で足首を守られていても、ガレ場の歩行は危険極まりない。


中の沢、エントリー部より見下ろすと、飛騨沢に向かい広い斜面が続いているのが見える
スカイラインは左、笠ヶ岳~抜戸岳~弓折岳と右、奥に黒部五郎岳、双六岳方面
中央を横切るのは中崎尾根、奥丸山(左端)

上部から見下ろす中ノ沢は、下から見上げて受ける印象とは全く違い、とても広くて快適です。

中間部にやや狭い部分はありますが傾斜はさほどきつくなく、そこを過ぎれば飛騨沢本沢までは緩斜面。

下部ほど落石はみられましたが、滑走に影響するほどではありません。

縦溝も下部のみで、飛騨沢のそれとは比較にならず無いに等しいほどでした。


ずいぶん低くなった奥丸山、中崎尾根と笠ヶ岳、抜戸岳


飛騨沢・本谷より中ノ沢を見上げるとこんな感じです


白出沢で見上げるとジャンダルム~西穂高岳稜線が夕陽に紅く染まりかけていました

で、帰宅した翌日、荷物整理していると、あるモノがないことに気付いたというか、何故、今まで分からずにいたのか、とにかく理解できないようなことを発見してしまった。

どこを見てもシールが見当たらない。

最後にシールを剥がし片付けたのは大喰岳の山頂だけど、それからも何度かザックから出し入れした。

どこに置き忘れたかな~。

最後に滑り始めたのは中ノ沢上部のガレ場で、以降、槍平で食事もしたし白出でもザックを開けたけど気付かずじまいだった。

もし、エントリーした所で忘れて来たとしたら、そこは登山路(夏道)から50メートルほど下方だし、ガレガレのがレ場だから誰も気付きはしないかな~。

警察や槍ヶ岳山荘にも連絡してみたが拾得物の届け出はないそうだ。

今年は、もう使うことはないからイイようなものの、来年度はまた新調しないといけなくなってしまい、ちょっと悲しいツアーの顛末となってしまった。

時系列画像のみですが大きめの画像はこちら

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