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2018年11月5日

03-04/11/18 中天井岳でみるマジックアワー

パタゴニア

北アルプス・大天井岳に行ってきました。


有明山、安曇野と壮大なスケールで繰り広げられるマジックアワー magic hour

この日の夕刻、日没後に目の前で繰り広げられた光景は、これまでに山上で朝日や夕陽を見たことがないわけでない自身にとって、もっとも素晴らしかったともいえるものだった。

よく、夕日が沈んだ後の素晴らしい空の色合いのことをマジックアワーというが、これこそがマジックアワーであり過去に見た夕景はそれではなかったことになってしまった。

オレンヂ色ではなかったものの水平線から上空にかけて濃いピンクから次第に淡くなりながら空の色へと変わりゆくグラデーションは、見事なまでに美しかった。


ブルーアワー blue hour/ブルーモーメント blue moment に映える槍・穂高連峰


槍ヶ岳と星空


朝日の当たる槍ヶ岳


ブロッケンを伴った影大天井岳稜線

あたかも実像のように見える硫黄尾根上部に映る稜線は、朝日に照らされた雲に映し出された大天井岳の影です


中天井岳で朝の光景を撮る

この日の山行記はヤマレコ

中天井岳より見るパノラマ



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2018年10月22日

20-21/10/18 樅沢岳と双六岳

パタゴニア

北アルプス、双六小屋の小屋閉めの日を狙って双六岳に行ってきました。


夕刻、樅沢岳よりみる雲表の槍ヶ岳・大槍と大喰岳、中岳
以前、樅沢岳から槍ヶ岳を望んでから実に18年の歳月が流れました

最近、しばしばこんな言い回しの書きかたをしている気がしますが、今回も多分にもれず本来の目的は双六岳に行くことではありませんでした。

先月、薬師岳に出向いた際、どうしようか迷った黒部五郎岳に登ることこそが第一の目的だったのですが、その中で第二の目的地だったり、そこへの経路としてあわよくば的に考えていた樅沢岳と双六岳を主目的地としての山行となってしまいました。


夜明け待つ稜線 樅沢岳にて
大天井岳~横通岳と北鎌尾根・独標、大槍、南岳・獅子鼻稜線


北鎌尾根の小さな岩稜、岩塔までがくっきりと朝陽に映し出されています


独標と朝陽


北鎌尾根・北鎌平~大槍~飛騨乗越


朝日がきらめく様子は自身も含め4人で鑑賞しました
中央に西鎌尾根が槍ヶ岳へと続きます


双六岳の代表的景観
頂稜台地と槍ヶ岳・北鎌尾根と大槍、大喰岳、中岳のシルエット

ともすれば山行がイマイチだったかのような印象ですが、結果的には二日目には絶好の好天に恵まれ、前日午後から降った雪のお陰もあって北アルプスの素晴らしいダイナミックでパノラミックな景観を目の当たりすることができました。

パノラマ動画

好天に勝るものはない典型の山行で、晩秋のこの時季はいつ本格的な降雪をみてもおかしくない時期なだけに山に入る人はそれなりの人ばかりで、みなさん大きなご褒美をもらった感じです。

時間を惜しんで速攻ピークハントもイイですが、せっかく上天気の日はのんびり景色を愉しみながら山を歩くのが最高の贅沢です。


結氷の双六池と笠ヶ岳、抜戸岳


鏡平・鏡池と槍、穂高連峰

最後に見た鏡平からの景観は、この地に限っては今年一番の景観ではなかったかと思わせるほどの筆舌に尽くしがたい素晴らしいものでした。


双六岳より見る黒部五郎岳
右、北ノ俣岳

今回も黒部五郎岳に向かうことはできませんでしたが、遠い存在として今後の楽しみにとっておくことにします。

他の画像や記録はヤマレコ

ちなみに、当ブログの表題画像中、DIARYの"A"の下方の台地ピークが樅沢岳です。



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2018年9月25日

23-24/09/18 北ノ俣岳と薬師岳

パタゴニア

北アルプス・黒部源流域、北ノ俣岳と薬師岳に三木・Yくんと行ってきました。


夕食準備に追われる薬師岳山荘・厨房の窓越しに槍ヶ岳を望む

そもそもの予定は23日、日帰り薬師岳だった。

予定通り行かなかったまず第一は前日のうちに有峰林道を通過できたこと。

到着が19時25分だったこともありゲートは当然のように閉まっていた。

管理人の姿はあったので、ならば当然の如く頼み込むに決まってるでしょ。

小銭の持ち合わせがあったことが功を奏したかどうかは知らないにしても、再度ゲートを開けてもらい通過したのだった。

本来ならココで一夜を過ごすつもりだったので、良い方の予定外だった。

折角、早発ちできる恩恵にあずかったのに朝の出発は6時とした。

天気が読みにくいことが遅い出発とさせ、これが後に少し後悔の念を持たせる結果ともなった。

この夏の天候不順は今になっても、その傾向を引きずったままで秋っぽくなってきた今になっても計画を立てることすらままならない。

同じルートのピストンなら復路がライトが必要な時間になってしまっても往路の際の記憶に任せて歩けば問題ないだろうとみて、こんな時間からの行動開始となった。


今日に限っては久しぶりの上天気。

名物・アラレちゃんをみて三角点まで来ると正面左に大きな山容の薬師岳や左手、大日連山の向こうに剱岳が顔を出してくれた。


五光岩と弥陀ヶ原、大日連山、剱岳

これから太郎平までは傾斜は緩いが距離があり、足元も決して良いとは言えない状態なので思った以上に歩きづらい。

太郎小屋の稜線はず~っと先にしか見えない。

こんな比較的ゆるい傾斜の登山路が続くので、今日のこの後の行程のことをずっと考えながら歩いていた。

この天気、日帰りで薬師だけというのは勿体な過ぎる。

ならば、どうすべきか。

天気がよければ朝日も見たい。

というより、これが第一の目的かもしれないから外すことはできない。

となると、太郎小屋は不適でさらに二時間先の薬師岳山荘小屋に泊まらなければならない。

薬師はもちろん、黒部五郎も魅力的だ。

でも、五郎まで行ってきてさらに薬師岳山荘まで歩く元気はあるだろうか。

足は逝ってしまわないだろうか。

カメラと三脚は用意してきた。

明日の天気も予報よりも好転して昼頃までは持ちそうな気配。

雲ノ平に泊まる、ってのもアリかもしれない。

なんとか朝日は見れるものとして、とりあえず五郎までの道中の北ノ俣まで足を向けることにしよう。


太郎平から遥かに白山を望みながら北ノ俣岳へ

太郎山の辺りは右手遥かに白山を望みながら鼻歌混じりのお散歩道だ。


マイナーな北ノ俣岳といえど、山体は立派

双六と丸山の稜線の上にとんがり槍さんの先っちょ見っけ。


三俣蓮華~丸山の鞍部に思わせぶりにとんがりの先っちょを見せる槍ヶ岳

振り向いて見る薬師は稜線左に剱さんが顔をのぞかせ東南尾根がどっしりバカでかっ。

三俣蓮華の右は丸山で、その右の三つコブは左が双六と右端が南峰だよ。

正面、五郎の右には笠さんや乗鞍さんも。

雲ノ平の向こうだから影は薄めだけど、もちろん鷲羽も。

すぐお隣のワリモ岳もちょっととんがってイキがってるみたいだね。


水晶岳を借景に悠然と青空の黒部源流上空を舞う猛禽類
実はこの鳥の下方には少し小さめの鳥類が写っているが、この後の顛末は知る由もない

水晶も、さすが百名山だね。とってもカッちょいいよ。

ここにきて槍が解らない人が居るはずはないだろうけど、果たして皆は他の山のことは解ってるのかな~。

それにしても、こんなに楽しく山座同定できる散歩道はほかにあるだろうか。

展望を愉しみながら緩やかに高度を上げると薬師沢左俣源頭部をトラバース気味に北ノ俣岳へ。

有峰林道が閉鎖される期間には、このエリアへの一般的なルートになる飛越トンネル、寺地山からの飛越新道を右手から合わせると間もなく山頂。


東南尾根を従えた大きな山容の薬師岳
左肩に早月尾根稜線と剱岳山頂部が覗く

着いた北ノ俣山頂展望台は北アルプスど真ん中で、素晴らしさこの上なし。

鷲羽乗越の先は本日、初見参の大天井岳かな。

登山路開通するって言ってた御嶽さんも見えてるよ。


北ノ俣岳山頂より黒部川源流部を望む

ところで、正面に見える黒部五郎は少しは近づいただろうか。

ここから往復して、さらに太郎小屋、薬師岳山荘までなら、まだずいぶん時間が掛かりそうだ。

折立出発が、もう少し早ければ時間に余裕ができていたはずだけど、それよりも足の心配もしないといけないのが現実的かな。

目の前の赤木岳までならの考えも頭をよぎったが時間が12時近くになったのと、明日の天気も良さそうだし、ここは大人しくUターンすることにしよう。


眼下に有峰湖と彼方に富山湾、能登半島

太郎小屋までの道のりも決して近くない。

遠目から見るとたおやかな稜線にみえるこの付近も、登山道はガレていて足元の良くない場所もあるので十分注意して歩く。

晴れていてこれだから雨が降っていれば時間的に余計にかかるし精神的にも疲れるだろう。

太郎小屋のネパールカレーで空腹を満たしたら山荘まで頑張るとしよう。


彼の顔を立てたからではなく
普通のカレーが売り切れだったのでネパールカリー

太郎平一帯は木道が多く敷設されている。

一見歩きやすそうだが雨が降っていればもちろん、朝露が降りたりして濡れていれば大変危険で、植生や登山路の保護の観点から致し方のないことだが歩行には十分注意する必要がある。

薬師峠がキャンプ指定地。

水は豊富だが、ここからは黒部五郎や北ノ俣は見えるが他の山は見えないのは残念。

鞍部だから仕方ないか。

薬師岳方面へ沢地形の、やや歩きづらい急登をしばらく登ると薬師平。


薬師平の池塘

小さな池溏もあり鷲羽岳、槍ヶ岳、三俣蓮華岳、双六岳など黒部川を取り巻く山々もよく見えるようになる。

テント泊で良い景観にありつこうとするなら、ここまで乗り上げる少し余計なアルバイトが必要だ。

山荘へ向けて最後の登りも薬師沢右俣の見事な黄葉に励まされ頑張り甲斐がある。

振り返ると北鎌~槍~奥穂・ジャンダルムまでが一堂に姿を見せてくれるようになり、眼下には薬師沢右俣源頭部から黒部川へと続く渓や沢。

さらに彼方へと続く、これぞ北アルプス的景観の山並みが素晴らしい。


奥に見えるのは黒部五郎小舎の鞍部や秩父岩付近のスカイライン

三俣蓮華岳から見ると黒部の主は、まさしく源流に位置する鷲羽岳だが、この付近から見ると名前にその名を冠する黒部五郎岳といっても過言でない存在感。

次第に大きくなる正面の薬師岳はハイマツの緑と山体の白さが特徴的で、見上げる青空とのコントラストも素晴らしい。

小さなコブを巻くとタルチョで飾られた薬師岳山荘に到着だ。


タルチョの掲げられた薬師岳山荘と薬師岳

夕日の時間帯はちょうど食事の時間と重なっていた。

食堂からでも夕陽は見ることができるが、幸か不幸かダメっぽかったので食事の時間を残念に思うことは全くなかった。


薬師岳山荘のタルチョが夜空にはためく

午後からは少し雲が出たが夜になっても星は見えていた。

明日、十五夜らしく東の空には月が大きく輝いていた。


月光下、その姿をくっきりと映し出す槍~穂高連峰稜線


砺波平野の夜景
夜が更けると明かりが増して、それなりに見場はあった

3時起床、出発は4時前だった。

山頂には45分ほどで着いたので日の出にはまだ1時間の余裕があった。

二人っきりで独占的に、あれやこれや撮りまくる。

三脚があれば何でも来いだ。

昨夕、食事の際に食堂で目にしたTJAR選手たちの薬師岳での写真を真似て暗闇の中、何枚か撮ってもみると、まんざらでもない今までにない違った趣向の画像が撮れた。

自己陶酔の極み。


暗闇の薬師岳山頂

いつもは単独行なので、こんな画像にありつけると違う愉しさを見いだせた気分だった。

小屋を出た頃はあまり寒さは感じなかったが時間とともに風が強くなり気温も下がり気味。

それでも決して震え上がるほどのことはないので、これくらいなら上出来か。


山頂に向かってくるライトの灯り
右下が山荘の灯りで大遠景は御嶽

快晴ではないものの空がすっぽり雲に覆われているわけではないのでちょうどいい具合に雲が焼けて良さ気な光景に出逢えそうな予感。


日の出間際の山頂


朝日を待つ人たち

次第に東の空は明るくなり、やがてその時はやってきた。


ご来光

裏銀座縦走路の起点、烏帽子岳~三ツ岳間、ちょうど烏帽子小屋の彼方、稜線奥の唐沢岳左からの日の出だった。

日の出自体は大したことはなさそうだったが上空に広がる雲を赤く染めるさまは中々だった。


標高が上がることで槍~穂高連峰も
北鎌尾根独標から西穂高岳独標付近まですべて見えるようになる

日の出の後も、もうしばらくは素晴らしい光景があることを知っているつもりだ。

朝の光景の素晴らしさは日の出そのものだけではなく、その後のしばらくの時間帯こそとっておきの時間なのだ。

もちろん、もうしばらく長居する。

薬師岳からの眺望も、昨日の北ノ俣岳に負けず劣らずか、それ以上に素晴らしい。

さすが、どちらも黒部源流域の山深いところに位置するだけのことはある。


北薬師岳と大日連山から剱、立山へと稜線が連なる
雄山の手前は五色ヶ原台地

山頂からは北の至近に北薬師と中景に五色ヶ原や彼方に立山(雄山)、剱へと続く。

右は後立山連峰、針ノ木、蓮華岳と続き裏銀座の烏帽子、三ツ岳、野口五郎から水晶へ。

赤牛さんも忘れちゃいけないね。薬師見平も見えてるよ。


砺波平野に大きな影を映す影薬師

この時間、黒部川の深い渓は斜光の朝もやに包まれた眠りの中。


黒部峡谷、上ノ廊下に日射す

南は昨日もずっと見てきた名峰の数々。


南望しても素晴らしい景観が広がる

結局、山頂では二時間近くにわたり眼前に繰り広げられる壮大イベントを堪能した。

好天に勝るものはないね。

あれやこれや悩んだけど今回の計画遂行はこれで大正解だった。

小屋へ戻り遅い朝食を摂ったら下山しよう。

太郎小屋までの道のりはいくら見てても飽きないほど見どころ一杯。


見下ろす薬師沢右俣の黄葉と雲ノ平を回り込むように流れる黒部川本流
鷲羽乗越、三俣蓮華岳~双六岳稜線の奥に槍~穂高連峰


薬師峠近くで見た紅葉の木と北ノ俣岳

今回行けなかった黒部の五郎さんには機会を見つけて足を向けることにしよう。

黒部の五郎さんだけでなく野口の五郎さんも今日はしっかり見たし、決して忘れてないよ。

太郎平から折立までは当然長い。

三角点から下も意外と歩きづらい。

アラレちゃんまで来ると飽き飽きする。

太郎平から折立は2時間ちょうどで無事下山。

見上げると雲が広がって晴れ間は見えなかった。

小屋で聴いたところでは昨日は朝10時頃から天気回復したらしいから、朝日を見るには今日がベストのタイミングだったようだ。

素晴らしい景観を提供してくれた薬師岳に感謝して次の山行に備えよう。


おまけ


ただならぬ存在感
ランドローバー・ディフェンダー / LANDROBER・DEFENDER

長文にお付き合いいただいたことに、お礼申し上げます。

ありがとうございました。



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2018年4月30日

29/04/18 双六谷と弓折岳

パタゴニア

新穂高から左俣谷、大ノマ乗越経由、双六谷、弓折岳山スキー行ってきました。


鏡平上部より望む穂高連峰と焼岳、乗鞍岳


新穂高・深山荘登山者用駐車場
今宵の寝床はこの灯りの内

解る人に言わせれば、ある意味、敗退的山行ですね。

もちろん目的は双六岳であり双六カールを滑ることでしたが、大ノマ乗越に着いて目にした双六岳の雪付きの悪さに、一気にテンションだだ下がりでネイチャースキーを愉しむことに気持ちを切り替えてしまいました。


目にした双六岳の寡雪ぶりには驚かされた
右上するのが双六谷で南峰の左肩に小さく黒部五郎岳がみえる

のちに目にした状態では双六岳山頂からでも雪を拾えば双六谷まで滑走は可能のようでしたが、見る限りかなりリスキーなシチュエーションもありそうに見えたので納得です。


秩父沢の登行
デブリは大したことがなくて助かったが大ノマ乗越までは長くて遠い


ようやく着いた感満載の大ノマ乗越にて大キレット~穂高連峰

ここから双六谷までの標高差200mは、それなりの斜度なれど雪質上々で、距離は短いながら滑走はそれなりに楽しめる。


雪割れの双六谷と大ノマ岳

雪割れした双六谷でのひと時は、まるで砂漠の中に突如現れたオアシスのようで、ほんの短い時間ながらこれまでにないロケーションとシチュエーションを独占して、とても贅沢で優雅な時間を過ごせました。


金木戸川源流の流れと双六岳頂稜台地
青空に映えるダケカンバが美しい

やや狭くてスケールも小さいながら黒部源流によく似た雰囲気の双六谷上部。

出合から双六池までの標高差は300mあるから斜度はそこそこある。

この後、双六カールの登行はキャンセル、双六池まで登行することなく右折し弓折岳北部稜線に上がる。


北に鷲羽岳と水晶岳

樅沢岳南で弓折岳稜線に乗ると槍~穂高連峰が素晴らしい景観で迎えてくれる。


稜線というステージの上に立った瞬間、槍~穂高連峰の壮大な景観が眼に飛び込む


北鎌尾根上部~槍ヶ岳~大喰岳~中岳と西鎌尾根、中崎尾根、飛騨沢

かつて今日と同じように、ここから見た残雪の飛騨沢に憧憬の念を持ったことを想い出す。

中岳・中の沢に忘れたであろうシールは今もあるだろうか?


大観が眼の前にあってもキツイのはキツイ
中岳~南岳、大キレット~北穂高岳~涸沢岳~奥穂高岳~ジャンダルム


大キレット~北穂高岳~涸沢岳~奥穂高岳~ジャンダルム~西穂高岳・独標付近まで
手前稜線は中崎尾根と、ここでも不遇な存在の奥丸山

ただ、ここから弓折岳までは小さいながらアップダウンが幾度かあり意外と近くない。(雪切れ二か所あり、スキー脱ぐ)

この稜線上の二か所のピークにひと張りづつテントが張ってあった。

弓折岳ピークにも、ふた張りのテント。見下ろす鏡平にも緑色のテントが確認できる。

どのテントも素晴らしいロケーションで、いい夜が過ごせたにちがいない。


鏡平に張られたひと張りのテント
中央、左寄り

弓折岳からの斜面は槍~穂高連峰を正面に見て最高のロケーション。
(スキーヤーとなった本人には見えないが・・・)

雪の状態は山頂直下がベストだったが、すぐに終わりレフトに回り込み熊の踊り場を見下ろすようになると素晴らしい縦溝。

さいわい、この時間になると雪は緩んでいてシュプールも皆無だったので適当にざく切りにしてやった。


鏡平や熊の踊り場から弓折岳東面の縦溝は造形美を形成するほどすごい
秩父沢のそれは、縞模様のスパンが大きく溝も深い

昨日、熊の踊り場ではその名を地で行く熊がうろついていたと弓折岳のテントの一人の人から聴いたので、あたりを注意しながらもぐるりと取り囲む縦溝のオンパレードを楽しむ。

広い秩父沢に合流しても縦溝は終わるはずはなく、どちらかといえば傾斜が緩いのがせめてもの救いほどで、大きく深いそれに滑りにくさはさらに増す。

うねりに身を任せて滑るのみ。

立ち止まり見下ろすと、出合いの橋はまだまだ先の下の方。

秩父沢の出合い付近だろうか、左正面に奥丸山稜線の奥に槍ヶ岳~穂高連峰が最後に見える場所があるので、眼前に広がる光景を家族とシェアしながら長居。

ここでもう少し待って、黄昏て紅くなりそうな穂高の山々を見るのもイイかな、とも思ったが明るいうちの下山がリスクマネジメント。

安全を優先し、しばらくしたら重い腰を上げる。

事実、滑りに関しての危険性はこの辺りを過ぎてから出合橋までの下部のデブリ地帯のほうが高く、難しかった。


秩父沢から最後に見た穂高連峰
これくらいの標高の目線では西穂稜線の存在感がある


奥穂高岳~馬の背~ロバの耳~ジャンダルム
手前は涸沢岳西尾根・蒲田富士稜線と林の中崎尾根

弓折岳山頂から林道出合いまで、の~んびりしながらでも1時間ほどで下れるのはスキーならでは。

林道はアプローチシューズで、トボトボ下山。


稜線にいる人にはどんな光景が見えているのだろう
左俣林道でみたアーベントロートの焼岳

こちらは遅々として進まないものの、
「弓折稜線の、もう少しでも北の位置から左俣に飛び込んでいればもっと充実した山行になっただろうか。」

その場に身を置くとなかなかそうも行かないのが現実で、素晴らしい景色との出逢いと無事の下山で何より。



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2017年10月10日

08-09/10/17 甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳

パタゴニア

南アルプス・北沢峠ベースで一日目、甲斐駒ヶ岳と二日目、仙丈ヶ岳に行ってきました。


仙丈ヶ岳、藪沢より見る甲斐駒ヶ岳、摩利支天と鋸岳稜線


駒津峰山腹の黄葉と仙丈ヶ岳

甲斐駒、仙丈をワンセットとして考える際の王道的なルートでの二山。

絶好の好天に恵まれ大展望も欲しいままに得られましたが、いくら王道とはいえ共に標高三千メートルを前後する山だけに中々楽はさせてくれませんでした。

楽でなかった(思ってもみなかった)第一弾は早朝の仙流荘発、北沢峠行きのバス。

二便目か三便目で乗車できましたが、4時過ぎに切符売り場に並んでもこの始末。
昨日が雨だったので三連休を当て込んでいた人の多くが今日の入山に変更したようです。
ただ、本来は6時5分が始発ですが4時半ころからバスが始動したので5時10分頃にバス乗車できました。

6時過ぎには北沢峠に着くことができたので、この後の行動を考えるとかなりタナボタ的なところもありました。

第二弾は着いた長衛小屋キャンプ場。
このキャンプ場を利用するのは初めてにしろ、今日の混み具合はある程度想像できたので、これも踏まえるとできるだけ早い便のバスに乗りたかったのです。

考えていたよりも早い時間帯に到着できたものの、すでに多くのテントの花が咲いていて、「ちょっとマズイ。」と思ったものの、何とか小屋からそう離れない場所に適当な場所を確保して事なきを得ました。

後からも続々とキャンパーは到着して、翌日下山してみるとテントはさらに増え、かなり下流の左岸にも張ってあるようでした。

涸沢などとは違い、かなり閉塞感があるので、雰囲気も含めてもう少し余裕があればいいのですが・・・。

第三弾は甲斐駒ヶ岳の人の多さ。
これは、かなり想定外でした。

駒津峰に着くまでは、まだそれほどに感じませんでしたが、ここで北沢峠からのルートを合わせると一気に人が増えました。
おまけにここから山頂までは、ほぼ一本の道を多くの人が歩くので追い越しはできず、また追い越してもすぐ前に人がいるので意味を成しません。
岩場があれば、当然のように渋滞します。
皆にならって歩を進めるしか仕方ありません。

山頂はかなりの人数の人たちで、大げさに言えば一杯でした。
日帰りで北沢峠から上がってくる人が多いんですね。
摩利支天に行く人の少なさは帰りのバス時刻が気になる人もあるようですし、駒津峰から仙水峠へ周回コースで下る人の多さに、そう思いました。

第四弾は甲斐駒ヶ岳から北沢峠に下山して真っ先に飛び込んだ、こもれび山荘でのこと。
ここで、名物のカレーを食べることが長い樹林帯を下る際の唯一とも言っていいモチベーションでした。

前述の人の多さが影響したこともあって下山したのが14時30分頃だったでしょうか。
玄関先にあった盾看板で見た『本日のランチは終了しました』は承知の上で中に入ってみると・・・。
当然、終わってました。ガックリです。

今宵は鍋焼きうどんに雑炊でした。

もちろん、このような楽ではないことばかりでなくイイこともたくさんありました。

まずは二日間とも絶好の好天に恵まれました。
山頂からの展望はどちらの山でも素晴らしく、見通しがイイことも手伝ってぐるりとよく見えました。

甲斐駒ヶ岳では中腹の黄葉が盛りで、仙水峠から仰ぎ見る摩利支天を従えた甲斐駒は圧巻でした。

仙丈ヶ岳では早起きしたおかげで小仙丈ヶ岳からみる素晴らしい朝陽に出逢えました。
そもそもが朝日を見ることは山行の際の大きな目的に違いないのですが、今回は初日にカレーが食べられなかったお陰で二日目は早朝出発に迷いがなくなった結果ともいえそうです。
稜線で朝日を見ると必然に下山時刻は早くなるので、これはもう『渡りに舟』。
カレーは10時からの提供(13時30分まで)なので余裕です。

で、焦がれたそのカレーですが、二日間待った甲斐がありました。
兎にも角にも絶品です。
こんなに旨いカレーは食べたことがなく、これだけを楽しみに足を運んでもイイです。

決して過言ではなく、もちろん金品など一切貰ってもいません。
それほど美味しく地ビールとの相性も抜群で、ホント最高でした。

ちなみに、ココのカレーはカレーライスでなく、スープカレー+ごはん、です。

そうそう楽はさせてくれませんが、これが昨今の山行形態と考えれば存分に愉しませてもらえた甲斐駒、仙丈の山旅でした。

でわ、まずは、今山行の一番のごちそうだった、そのカレーから-。


こもれび山荘・オリジナルスープカレー 食前


同 食後

具材は鶏もも肉、にんじん、ピーマン、なす、ゆで玉子、チーズ入り。
1,200円也が高いか安いかは、あなたの舌次第です。

以下、時系列画像です


仙水小屋を過ぎてゴーロ帯にさしかかると背後に仙丈ヶ岳が望める


正面に摩利支天が聳え立つ


黄葉真っ盛りの仙水峠より甲斐駒ヶ岳、摩利支天を見上げる


駒津峰よりみる甲斐駒ヶ岳、摩利支天


同、鋸岳と遥かに北アルプス連峰


甲斐駒ヶ岳より仙丈ヶ岳をみる


ガスに巻かれてしまいそうな摩利支天


摩利支天にて


駒津峰東斜面、ダケカンバの黄葉が素晴らしい


日の暮れたテント場
最盛期の涸沢ほどではないにしても、かなりの数のテントがひしめき合っていた

仙水峠へはミーハーチックにサントリー・南アルプス天然水の宇多田ヒカルがコマーシャル撮影で登ったという栗沢山経由で行ってもよかったかな~、なんて思ったりもするけど、あの等高線見るとキツそうかな。


小屋のキャパは、そう大きくないので小屋前は意外と閑散


黎明の富士
南プスの稜線では、特に朝は何といっても彼(彼女)の右に出る存在は見当たらない


夜明け前、紺青の空にワン(富士山)ツー(北岳)スリー(間ノ岳)が見事なスカイラインを魅せる


小仙丈ヶ岳でその瞬間を待つ人たち


キタ~、って歓声も聴こえてた


鳳凰三山、地蔵岳・オベリスクのやや左からの日の出


朝陽に輝くオベリスク


朝陽に映える仙丈ヶ岳と小仙丈カール


中央アルプス、御嶽山と影仙丈


槍・穂高連峰、笠ヶ岳大遠望

北アルプス稜線は南の乗鞍岳から白馬三山のさらに北まで、すべてが見える感じ。


甲斐駒ヶ岳、鋸岳と八ヶ岳連山


北岳・小太郎尾根の上に優美な姿の富士山


花の山らしい愛らしい標識
中央アルプスと御嶽山


仙丈ヶ岳から南望してみる南アルプスの名峰

長い仙塩尾根の先、塩見岳を中央に悪沢岳がほぼ重なり合い、荒川中岳、前岳の奥に赤石岳、聖岳と、ずらり三千メートル峰六座が並ぶ。

さらに右に兎岳や光岳、池口岳、左は蝙蝠岳や笊ヶ岳。


西望してみる北部中央アルプス、御嶽と加賀白山大遠望

上画像の中アは左から三ノ沢岳、宝剣岳、千畳敷カール、木曽駒ヶ岳、将棋頭山、経ヶ岳まで。


山頂から、このワン(富士山)、ツー(北岳)、スリー(間ノ岳)
を見るのが目的の人もいたようなので再掲しておきます


馬の背尾根のシャクナゲと藪沢カール


山梨県側からみた北沢峠


マイテントと長衛小屋、摩利支天


仙流荘で二日分の汗を流して今回の山行は終わり

後記
今回の山行で仙丈ヶ岳に登ったことで国内の三千メートル峰のすべて(主峰の付属として除外されている7ピークも含む)に登頂したこととなりました。



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