朝、氷ノ山国際スキー場より快晴の流れ尾と
氷ノ山山頂を見上げる
例年なら三月の声を聴くとともに好天に恵まれる日があるのに、今年はこの時期になっても、なかなかそうはいかない日ばかりでどうしたものかと思ったりもしたが、ここにきてようやくそれらしき日が来たと山頂方面を喜ばしげに二人、見上げる。
「若桜に比べるとずいぶん山頂が近く感じますね。」
初めてここから氷ノ山を見上げるYくんの第一印象はこうだった。
ここよりハイク開始
リフトを乗り継ぎゲレンデ上部まで運んでもらう。標高約950メートル。800円ナリ。最上部リフトは休止しているので、ここからハイク開始。
昨夜数センチ程度の積雪があった模様だが、その下には見事に凍て着いた雪があり状態は良くない。
それでも、ゲレンデの状態は少しはマシだったのでリフトトップまではシールで苦も無く上がれたが、尾根に取りつくとカリカリの雪に苦戦。
なんとか丘に乗り上げたものの、以降は山頂まで終始アイゼンの出番となった。
1,260P下方より鉢伏山方面
Yくんはというと、鼻からスノーシュー。一部、苦戦する場面もあったが急斜面も慎重にクリアする。
流れ尾中間部を登高
このルートを歩くと、高度を高くするにつれ右手にネジレ谷が見えてくる。朝の上天気に
「少しくらいカリカリ雪でも、このままの天気が昼頃まで続いてくれれば気温が上がり、雪も多少は緩むだろう。」
との希望的観測を持っていたが、見上げる山頂上空にはこの時間にして早くも若桜側から不穏な雲が現れだした。
流れ尾上部よりネジレ谷上部と氷ノ山山頂をみる
最後はネジレ谷を見下ろしながら、雪の状態を確認しながら歩く。風当たりが強く「カリカリ。」
2時間弱で小屋に着いた。
東尾根に比べるとずいぶん速いと思う。
反面、危険度が高いともいえる。
小屋で早い昼を摂っていると姫路のYさんと一年少しぶりで再会。
山でしか会わない関係だが、嬉しいものだ。
さて、ここからスキーの出番。と行きたいところだが・・・、何せ今日の状態はちょっと質が悪い。
上空もすっかり曇り空で気温も思ったほど上がっていない。
とにかく
「転倒は絶対に避けなければならず、緊張の滑降になるに違いない。」
試しに古生沼(今は雪の下)付近まで緩斜面を滑ってみる。
この付近は昨日降った新雪なので、これをすべてとみるわけではないが
「何とか行けそうかな。」
二人の意見が一致したところで、ネジレ谷。
案の定、はじめガリガリ。
斜滑降がやっとで、わずかな吹き溜まりを選んでターン。
ネジレ谷中間部にて
高度を下げても雪の状態はさして変わらず、それどころか左右の斜面から落ちたデブリが腕の悪さに油を注ぐ。本渓左岸の滝状ツララ
わずかな吹き溜まりも次第に重くなり、さらにはモナカ状。「今日のスキーは面白くない。」
二度目のノドを過ぎ、右手の尾根に帰還すべく取り付きを模索するも二度ほど崖に阻まれ、渋々高度を下げる。
1,050メートル付近で右の尾根へのルートを見いだし、ツボ足で直登。
急斜面をカニ歩きで登る
かなりの急斜面にも、Yくんはスキーを着けたままカニ歩きで標高差50メートル以上を頑張り、尾根に乗る。北を見れば鉢伏山が、ほぼ同じ目線にきれいに見える。
東には朝一で上がった丘。
稜線を左へ目でたどると尾根が切れ込んだところにスキー場トップの人工物が見えた。
登り上がった尾根上より東を見る
もう少し下方まで滑り、登り返すくらいのルート取りが理想とするところだったが、ここからなら目の前の小さな沢を巻いて滑ればゲレンデに戻ればよかったので、どちらがどうともいえない。樹はやや密だったものの、地形上、ここの雪は吹き溜まっていたからか意外とよかった。
ゲレンデトップに帰ってきた
ゲレンデに出ると、短いながらノートラックのバーンが残っていた。ザラメ状となったピステが今日一のご馳走だった。
ノートラックのゲレンデに真新しいシュプールを描く
見上げると山頂部はガスがかかり、アラレらしきものも落ちてきた。「ちょうどいいタイミングやったね。」
Yくんにとって初めての兵庫側からの氷ノ山だったけど、どうだったかな?
状態が良ければもっと楽しいルートなんだろうけど・・・。
再チャレンジを期し、ゲレンデをあとにした。
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