益田・Yくん、奥出雲・Tくんと三人で振子沢ツアー行ってきました。
振子沢源頭より見上げる北壁と剣ヶ峰、三角点、弥山
振子沢源頭より見下ろす振子沢と振子山、左に野田ヶ山
奥の稜線は矢筈ヶ山、甲ヶ山、勝田ヶ山
ここ何年かは、あまりイイ思いができなかった振子沢ですが、三人以上でのツアーとなると、かなり遡らないと思い出せないほど昔のこととなってしまっていたことと、雪の状態が良かったお陰で十分に愉しむことができました。
若いお二人には何もかもが敵いませんが、今日のような上天気の日に、こうやってツアーに出かけられれば文句のつけようがあるはずはありませんね。
ありがとうございました。
鳥越峠上部テラスよりキリン峠稜線越しの槍尾根、槍ヶ峰
着いた奥大山の道路脇には、すでに多くの車が停められていた。
除雪されてはいるものの、まだ通行止めの環状道路をしばらく歩き、ちょうど標高800メートル標識のところからシールハイク開始。
キリン峠を正面に見て奥大山スタート
少しでも標高の高い健康の森からの方が得した気分だが、奥大山からでも帰りが長く滑れるので、これもどちらでも構わない。
白く輝くキリン峠がこの位置に見えるのはあまり本意ではない
鳥越峠へのルートどりは、いつもあまり上手く行かない。
右手、右手を狙って歩いているつもりでも、小さな谷を乗り上げることを躊躇するあまり標高が上がってしまい、向かって左側のキリン峠への尾根方面へと導かれてしまう。
テラスへは最後になってうるさい灌木を無理やり避けながらトラバース気味に右上するようになってしまうことしばしばで、今回こそはと最後の谷筋を上手く直上できるよう進路を右手にとって歩いたつもりでも、それでも思ったほどではなく、がっかりさせられた。
少しは時期が早かったからか、あるいは積雪量がまだそれなりにあったからか、灌木がそんなにうるさくなく感じられ、鳥越峠上のテラスにはこれまでになくスピーディーに達することができたのは嬉しかった。
地獄谷へは、あくまでそこにいかにコスパよろしく降り立つかが第一の目標で、滑走はいつも期待していないし、今日も何時もに漏れずあまり楽しさはない。
雪がつながっていれば下ってくる急斜面(中央)を
今回も利用して本沢へ降り立つ
夏道方面の駒鳥小屋下流へ向けてではなく、ショートカット気味に左手の急斜面を滑ることで振子沢出合いへはスキーを履いたまま立つことができるのがこのルートのイイところだが、一方でかなりの急斜面なので滑落には細心の注意を払いながら滑る必要がある。
テラスから先行滑走していたグループは駒鳥小屋下流の出合いまで滑ったようなので、この出合いへはこちらが先に着いた形となったが、ハイクに向けて準備中に再先行された。
振子沢出合より見上げる本沢の奥に天狗ヶ峰、槍尾根、槍ヶ峰
付近では沢が見えている個所もあったが、以降は沢音さえ聞こえない。
日差しは暖かいが、まだ3月半ば、当然といえば当然だ。
最近では夏道方面はもちろん、このルートでもボーダーが多く、特にスプリットボードを持った(履いた)若い人が目につく。
といっても歳はそこそことっているが、かつてはスキーヤーがほとんどだったことを考えると、ずいぶん時間は経ったものの、いつの時代も手を変え品を変えしてアウトドアを楽しむ人たちがいることの証しか。
我々はATスキーx2、テレマークx1だから、そのまんま王道行ってる。
見る限り、自身は今日の内では最年長ほど歳を取ってしまっているが、残りの二人は彼らとほぼ同年代だから、そんな彼らと同行している自身はどんな存在なのか。
ちょっと自問自答する。
振子沢に入ってしばらくしてボーダーの彼らをパスして、源頭までに再び先行されることなく乗り上げることができた。
振り返れば烏ヶ山はいつの間にか、ずいぶん低くなる
源頭が見えてから標高差にして300メートルほど
前後にはハイクアップするスノーヤーが確認できる
我々の残り二人はさらに速く、こちらはとっくに置いてけぼりになり数人の先行者も追い抜いたうえ早々に目的地の源頭に着いているのが確認できる。
こちらがそこに着くまでに体が冷えてしまうほど待たせてしまったが、いつものことだから勘弁してもらおう。
ユートピアからの稜線に乗り上げてはじめて北壁側を目にする
天狗ヶ峰と真っ青な空に飛行機雲
墓場尾根、元谷と霞む孝霊山 右に向け落ちる稜線は夏道方面
目を凝らせば稜線に6合小屋が確認できる
思い返せば今回、三鈷峰の存在をほぼ忘れていて画像がない。
別山も雪がなかったので同じ印象で、裏を返せばそれだけ好天で目にする風景全体が素晴らしかったということか。
P1,636先よりみる烏ヶ山、象山、蒜山方面と
地獄谷へと続く本沢
本沢を登行する2人(or3人)のクライマーが見えた
槍尾根・P1,692近くの登山者
滑りはいつも、あんなもんだ。
基本、源頭部ほど傾斜はあるが雪の状態は良い。
沢のボトム近くやスキーヤーズレフトは気温のせいと日当たりの良さから雪温は上がりやすく雪は時間経過とともに悪くなる。
今日のような天気がいい日ではライト側とレフト側でコンディションの違いが顕著で、少し標高を下げた中間部が思いのほか難しい。
振子山を正面に
とか言いながら、Yくんはそんなことはもろともせず、かっ飛ばす。
Tくんはテレマーク
稜線のピークはP1,636
今回の滑走は意識してアグレッシブに飛ばしたとか
右上は象ヶ鼻
地獄谷、駒鳥小屋下流のブレイクポイント
地獄谷から鳥越峠へのハイクは「あとは滑走のみ」が分かっているからこそ、いつも悩ましい。
これがなければどんなにいいかと毎度々々思わせられるが、それならそれでわんさか人が押し寄せ、西日本で唯一の聖地的なポジションが危ぶまれる事態になるかもしれない。
鳥越峠・上部テラスのブナと烏ヶ山
北望してみる振袖山(振子さん)、矢筈ヶ山
さらにキリン峠までハイクアップする先着パーティー
もちろん自然の地形のことなので現実はそんなことはあり得ない。
自身がそうだったように、だからこそこのルート目標としてスキルアップを図る若い人が多くいるのだろう。
登路、灌木が少なめだと感じていた鳥越峠近くの木谷の杜も、いざ下るとなるといつもと変わらず、しばらくは藪スキーに近い。
次第に疎林となるエピローグのツリーランは、きっちり橋まで滑って戻ることができたので良しとしよう。
奥大山の路肩にずらりと並ぶ車列と大山南壁
若い人から刺激を受けて、の歳はとっくに過ぎた。
かといって、できることがあればまだまだ愉しみながら若い人と交流もしたい。
自身の置かれた立場を測るのにもちょうどいいルートが、この振子沢だと思う。
御机の茅葺小屋と大山南壁
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