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久しぶりに高御位山に上がった。
長尾からのピストンなのでルートはこれまでどおりだが、今日はそこへ向かう道中、いつになく見通しが良く
「きっと今日はよく見えるに違いない。」
と山頂からの眺望を期待する意味も込め、山頂に着くまで一度もうしろや下界を振り返ることなく歩くことにした。
さらに、こんな歩き方をしようと思ったのには、もうひとつのわけがあった。
地形図を見ていると、先の屋久島・永田岳山頂から永田浜までの距離と、この高御位山から加古川河口付近までの直線距離がほぼ同じであることに気付かされ、ならば、より免疫なく突然に目の前にこの風景を見ることでその距離感を感じようと考えた。
そして山頂に上がり、今日初めて下界を見た。
案の定、見通しがいいことも手伝って海岸線はずいぶん近くに見えたが、もちろんそれはいつもと同じ位置。
しばらく海岸線を見つめてみても、この位置にあの高さの山が聳え、ここから見えるあの位置に永田浜があったとは、にわかに信じがたい位置関係だった。
永田川にいたっては、この6倍以上もの高さの地点で川としての源を発し、加古川河口付近で同じように海に注ぐのだから驚きとしか言いようがない。
垂直距離が加味されていないので海岸線までの距離が同じとまではいえなくても、そう大差はないはずだ。
永田岳から見た永田浜はずいぶん遠くに見えたのは霞がかっていたか、あるいはそこが標高2,000メートル近いところだからという先入観からくるものか。
今日は見通しが良く、ここからの風景がいつになく近くに見えるとはいえ、どう考えてもそれらが同じ距離だとは思えなかった。
今日は好天や見通しのよさも手伝い、いつになく山頂でのんびりとした。
南面の見通しはこれまで最高で、明石大橋は手に取れるかと思うほど鮮明に見え、生駒の山並みや和泉山脈、淡路の山々の重なりも見えた。
見通しの良さの最たるものは、一度は
見てみたかった鳴門大橋を見たことだった。
2007年5月21日
高御位山から鳴門大橋
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