先の氷ノ山ツアーで山頂から若桜へ下るにあたり氷ノ越えに立ち寄ったので、3月4日、ここから兵庫県側の親水公園へ下山途中遭難され亡くなられた中尾さんの記述が残っているかと思い、小屋の記録帳をめくってみた。
最新の記録から数えて三枚目に彼女の記載はあった。あとの二枚のうち一枚は遭対の方、もう一枚は所属山岳会の方のようだった。
確かに彼女のとった行動は責められるところがなかったとはいえないし、残された記述だけを見れば、あえて自身がより責められる事を承知のうえ自ら記していたかのようにも見えるのは虚しいばかりだが、本来、この時期は訪れる人も少ないながら、これに対しての悪質な記述はなく、昨今のネット社会の弊害ともいうべき人の行為に対し全くの第三者が口を挟む行為がここにまで及んでないことを垣間見たことは、本当の山好きはそこまで落ちぶれてないと確信出来ることでもあった。
世の中、”たら”、”れば”を並べたら何でも出来てしまうが、あえて言わせてもらうとすると、これを書いている時間だけでも早く下山していれば・・・。
こちらが立ち寄ったこの日のように、せめて例年通りの積雪(残雪)があれば・・・、と残念でならない。
彼女とは全く面識もなく、もちろんどんな方かも一切知らなかったが、奇しくも事故の前日、彼女が訪れていた扇ノ山・上山高原で彼女と話した人からその時の話しを後日、少しながら聴いただけに、また氷ノ山という馴染み深い山域での事故だけに、この遭難は他人ごととは思えない。
ここにみた「あなたはイヌワシが好きだったね」との山仲間の残したくだりからは、故人の人柄をひしひしと感じ取れ、余計に虚しさが増すばかりだった。
2007年3月19日
07/03/17 氷ノ越え避難小屋にて
Posted by (ま)。
Labels: telemark ski, 山歩き、登山, 氷ノ山
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