2006年8月17日

花の浮島

礼文島は、すでに花が終わっている時期といえるにもかかわらず”花の浮島”そのものの様相を呈してくれました。
こんなに素晴らしい島だとは、失礼ながら想像すらできませんでした。

前日まで居た利尻島は、利尻山がシンボル的に聳えることもあって、それなりに調べておいた事前の知識と大した相違もなく、いかにも予想通りの島でしたが、礼文島に関しては利尻島ほど下調べをしていなかったこともあり、そこにも増して色んな意味で素晴らしい島と感じました。

礼文岳自体は利尻山と比べることはもちろん、絶対的な標高が低いこともあり特にこれといった特色は見当たらないともいえる山でしたが(もちろん魅力はあります)、魅力を感じさせる島の雰囲気はむしろ高い山がないからこそ、あり得るもののようです。

海抜0メートル地点にも、本州では一般的には高地にしか咲かない花が、いわば雑草のように平気な顔をして咲いている島なのです。

見事に広がったお花畑の中を、すぐそこに見える海や波打ち際を見ながら歩く。
固定概念からは考えられない風景の中に溶け込んだ自分に
「今自分はどこを歩いているのだろう?」
と、おかしな錯覚に陥りました。

見事な風景やお花畑は、この島にいつまでも居たいような気分にさせられましたが
それらにも増して、そう思わせたのは離島の際に見た港での見送り風景でした。

「行ってらっしゃ~い。」
「また来いよ~。」
岸壁に佇む桃岩荘の若者とフェリーで島を離れて行く者のとの間で、替え唄とともに繰り広げられる掛け合い。

若い時にこの島を訪れていたら、果たして今の自分があったかどうか・・・。

「また来るよ~。」
歳甲斐もなく、こう心で叫ぶうち、最北にのんびりと横たわる島影は次第に遠くになっていました。

山歩き、登山,

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