往路での鳥越峠への登りや、振子沢の全容を見るようになってからでも源頭までの登高は意外と長い。
そればかりか振子沢は大山の東に位置するため稜線に出るまで北壁側の展望は開けない・・・。
源頭まで登り詰め北壁側の光景を目の当たりすると
「これが標高2,000メートルに満たない山か?」
と思わせる、決して人を寄せ付けず、ただ荒々しさを鼓舞するかのような見事な景観に、つらかった登高の苦労も一気に吹っ飛んだ。
昨今、中国地方においてこの人の名を知らない人はいないのではなかろうかと思わせるほど、山スキー界において彼の名は広く知れ渡っている。
その第一人者の彼に彼のホーム・ゲレンデともいえる伯耆大山の、それも他に人のいない振子沢源頭稜線で、ようやく会うことができた。
こんな言い方になるのはネット上では以前から知る存在であり、これまでに何度か会う機会があったにもかかわらず、その機会を逸してきたからだ。
我々三人が奥大山から振子沢を喘ぎ喘ぎ源頭まで登り詰めようやくひと段落したころ、ユートピア方面から稜線上を上がってきた人がこちらに向かい大きな声を挙げるのが聴こえてきた。
このときは誰に向かってか、何を叫んでいるのかもよく分からず、適当に大声を張りあげて返事をしていたのだが、しばらく経ってさらに近づいた位置から再度、声をあげたときには、はっきりとこちらの名前を呼ぶ声が確認できた。
こちらもその声に呼応するように彼と思われる名前を叫んでみると、彼はまさにその人。
この後、お互いが稜線上を歩み寄り、かねてから一度は会いたいと思っていた彼に、最良のロケーションともいえる大山の稜線上で会うことができたのだった。
今日、これまでにすでに元谷上部を滑って来たという彼ら二人は、ターゲットとしていた剣谷をこのあと颯爽と滑り降りて行った。
彼のweb上でのこの日のファイルはこちら
奥大山スキー場、発 7:25
振子沢源頭、着 12:20 同、発 14:00
奥大山スキー場、着 16:25
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movie by ささやんさん 2010.03.22
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