別山を借景に滑る
7合沢源頭より滑りだしたのも束の間、ワンターン目であえなく撃沈。
直後、標高差にして110メートルも滑り落ちました。
灌木に引っかかって止まったマイ・スキー
今、こうして記録を書けているからいいようなものの、ひとつ間違えば大惨事にもなりかねない経験でした。
平均時速、約30キロ、最高速度34キロ/h、時間13、4秒。
時速30キロは秒速にすると8.3メートルなので距離でも100メートル以上の直滑降でした。
もちろん制動しようと努めたつもりですが、よく言われる通り止まりません。
板は両方とも外れたので斜面の傾斜に身を任せるしか術がない中、一番の恐怖は障害物、なかでも灌木に激突しないか、ということでした。
二、三度、止まれそうなときはありましたが、また加速するような感じで、止めたい気持ちとは裏腹に思うに任せないのが落ちて行く人の心情です。
ようやく止まった時は安堵の気持ちでいっぱいでした。
頭が下方で、うつ伏せ状態でした。
もちろん雪には埋まっていません。
ホッとしました。身体も大丈夫です。
この様子を見ていた夏道の登山者の一人の方と7合尾根を登攀する二人パーティーの方から安否を気遣う言葉をかけていただきましたが、身体を反転させたい気持ちはあるもののこの状態を変えると再び滑走してしまいそうで、行動を起こすことができずご心配をかけてしまいました。
現場で最も心配をかけたのは、誰をさておいてもエントリー部で一部始終を見ていた同行のYくん。
彼は彼で、この時間に色んなことを考えさせられてた様で、本当に申し訳なかった気持ちでいっぱいです。
彼らに無事を伝えようとしてもなかなか起き上がれず、時間が掛かったことで余計に心配させてしまったようです。
で、何とか身体を反転。
上を見て無事を伝え、次に下方に目をやると2、3メートルの位置に少し大きめの灌木。
ちょっとヤバかったかもしれません。
とりあえず、自身の身体が無事だったことで、よくここで止まったものだと胸をなでおろした次第です。
この後も、もちろん上手く滑れるはずがありません。
只々、腕のなさを露呈しただけで、今年の大山の雪は難しく上手く滑れないのもこのせいに過ぎませんが、それにしても情けない。
若い時ならこれもスキルとして積み上げられるかもしれませんが、肝に銘じることは当然としても年も年だから、さてどう考えるべきだろうか・・・。
7合沢源頭部 風は強いが視界はある
エントリーポイントより見下ろす7合沢
左に夏道の尾根、右に元谷
スキートップの先に声を掛けていただいた7合尾根登攀の二人
悪雪に負けず滑るYくん
8合尾根越しに見る弥山、剣ヶ峰稜線方面
凍てつく北壁・大屏風岩と烏帽子岩
8合沢、行者谷出合い付近
別山方面を撮る私
大神山神社
無事の下山に感謝し、いつものように土佐屋の反省会も行って、なんとか今日の山行を終えることができました。
HPは ようこそ『山のアルバム』へ
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