
槍ヶ岳稜線のスカイラインを映し出す笠ヶ岳~抜戸岳~秩父岩の稜線
大喰岳より
笠ヶ岳はこれまで遠くから、あるいは近くからも見るばかりの山だったが、秀麗な容姿から何時かその頂に立ってみたい、との想いがようやく実現した。
ルートは新穂高から笠新道を経た。
笠新道といえば、急登の代名詞的登山路で、どれだけ急なのか大いに興味があった。
一般に杓子平までの登山路を、こう称するのだらろうが、期待に反しそう大したことはなかった。
下山時にこのルートを下らなかったので何とも言えないが、これなら同じく急登として名高い早月尾根の方が一枚も二枚も上手。
こちらは剱のピークまで一気に登らなければならないのでこんな印象が強いなら、今回の笠ヶ岳でも山麓から一気に山頂に達する中尾口からクリヤ谷ルートや、このルートでも往復なら、さて、どう感じるのだろう。
また、他の人のレポートを拝見すると、杓子平に着いた際の笠ヶ岳の印象を、とかく大袈裟に表現している風に感じてしまった。
ここからの光景が決して悪いと言うつもりはないが、同じようなシチュエーションで目にする光景なら、槍ヶ岳山麓・天狗原から横尾尾根に上がった際に見える北穂高岳のほうが、自身にとっては威圧感があって印象深い。

横尾尾根より本谷・右俣、北穂高岳と前穂高岳・北尾根
もちろん他よりも優れていると思う光景に出逢えた。
何と言っても槍~穂高連峰の展望の素晴らしさ。
山頂から見る穂高は素晴らしく、大槍にはやや劣るものの、それと同じく天を突くようにそびえるジャンダルムの尖峰は、こちらから見るといかにも主峰・奥穂高の前衛峰らしく、飛騨尾根を従える様は見事のひとこと。
また、白出乗越へと突き上げる白出沢の斜度も印象的に見ることができる。
荒々しい岩肌も見る角度が違うからか新鮮に見え、滝谷よりも、むしろ白出沢の方が険しい岩場にさえ見えなくもない。
一方で、遠くには富士山も見晴るかし、乗鞍、御嶽のたおやかなスカイラインも、それらとは対照的。
弓折岳へと続くハイマツを縫っての稜線歩きも、ほとんど絶え間なく槍・穂と対峙しての雲上散歩、稜線漫歩的で、目にする光景は槍・穂展望台の王道ともいえる常念岳~蝶ヶ岳稜線からのものよりも、さらに見事だと感じられた。
被写体として切り取るには、あまりに天気が良すぎてイマイチだったが、見て楽しむにはこの上なしの上天気。
後になって地形図と画像を見比べるのも、また楽し。
ここのテン場で、この日のようなとある日に、夕景や朝景を眺められれば、どんなに贅沢なことだろう・・・。
見ていい山、笠ヶ岳は登ってもいい山に違いなく、大好きな山のひとつになった。
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ヤマレコ
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