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夕刻、大急ぎで高御位山・成井登山口へ向け車を走らせた。
日没の時刻までにあまり猶予なく、少し焦り気味での運転に逆風となったのはバイパスの電光板に映し出された”事故”の文字。
下山が日没後を想定して、明かりのある成井から上がろうとしていたものの、これではそこに向かっている間に陽が落ちてしまいそうだ。
あえなく、至近の登山口である長尾から上がることにして、駐車場に着いたら大急ぎで準備し足早に山頂へ向かう。
日没の時刻まで、あと40分。
時間的には余裕があるが気分は少々焦り気味。
「セーフ。」
稜線手前のビューポイントに着いたら三脚を構え、準備万端。
夏の頃とならずいぶんと陽の沈む位置が変わり、赤穂あたりの山影に沈みそうな雰囲気だ。
前に見たときはたつの付近だったから、かなり南になっている。
落日を見たら山頂でしばらくゆっくりする。
やや強めの風は冷たく感じられ、あっという間にすっかり晩秋の風情。空気が澄んでいるお陰か茜色の夕景が素晴らしい。
この光景は昼間に見るものとはまったく異質のものといっても過言でない。
「さすがに誰も来ないだろう。」
と思っていたら、何のなんの。
同じ長尾からご夫婦が、東の成井方面からも二人来られ、山頂の神社でお参りだけ済ませたら足早に下山された。
下山は暗闇の中となったが、これは想定内。
半月が出ているものの、ほとんどその恩恵は受けられず、ヘッドランプの明かりを頼りに慎重に歩く。
鉄塔から下方の樹林帯ではさらに暗さが増すので、特に注意が必要だ。
下山後、駐車場から見上げると、ナトリウム光線に照らされたオレンジ色に輝く稲の向こうの高御位山は、昼間のそれとはまったく別の山にも見えた。
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