飛騨乗越から飛騨沢へ向け滑りだす(あ)
(あ)と二人、槍ヶ岳・飛騨沢滑降してきました。
飛騨沢は雪質絶好につき、槍平までの標高差1,000メートル超を一気に滑り降りることができました。
前泊の穂高平小屋にて
槍平より北穂高岳~涸沢岳西面
飛騨沢を登高する
背後は笠ガ岳稜線と中崎尾根、奥丸山 遠景は乗鞍岳
飛騨沢上部より西望
笠ガ岳、抜戸岳、弓折岳稜線と双六岳
中央上寄りに鏡平
笠ガ岳をバックに飛騨沢源頭登高
かつて双六ツアーで訪れた際に見た、あのカールを滑れるとは思ってもみなかった。
長らくの登高を経てたどり着いた飛騨乗越で初めて目の前に姿を現せる槍の穂先は、どう見ても大槍の名にふさわしい存在でそびえ立っていた。
「うおッ!、うおッ!!」
これはもう鳥肌もの。
かつて一ノ沢から常念乗越に上がりきった際、突然目の前に姿を現せた槍~北穂高稜線の迫力に衝撃を受けた覚えがあるが、今回、飛騨乗越から仰ぎ見た槍は、その時よりもさらなる衝撃だったような気がする。
二人にとって約11年ぶりに見る飛騨乗越からの大槍だった。
今シーズン伯耆大山・キリン峠から槍尾根や槍ヶ峰を見上げた時、そこから見える光景に(あ)は痛く感銘を受けたようだが、さすが、至近で見る本物の槍はひと味もふた味も、いや、まったく違っていた。
槍ヶ岳・大槍
思い起こせば(あ)は当時、小学2年生だった。
お盆の頃、今回と同じく新穂から入山し双六泊ののち西鎌尾根を経て槍の肩に着いた際、年輩のご夫婦とこんな会話を交わしたことを今もよく覚えている。
「僕ぅ、よく頑張ったね。」
「うちも子供が小さい時はよく一緒に来たけど、今は大学生になって一緒に来てくれないの・・・。」
当時、そのご夫婦の言葉をただ漠然としか聴こえてなかったが、今、現に自身の子がその歳になってみると、
「ずいぶん歳をとってしまったな~。」
こう感じざるを得ない。
いくら若いと思っていても、その子が大学生になったのだから、自分もあのご夫婦とほぼ同じ歳になっているに違いない。
いつしかその息子も、自身が山好きになった頃を追い越そうとする歳になっていた。
裏銀座の山々を見て飛騨沢へGo!
ダケカンバの疎林帯
槍平上部より中崎尾根方面を見上げる
槍平より滝谷を見上げる
滝谷出合いより滝谷と北穂高岳ドーム
飛騨乗越から飛騨沢を滑りだすと、あっという間に高度を落とす。
時折振り返ると「喘ぎ喘ぎ登ったのは何だったんだ?」と思わせるほど乗越はみるみる上方になってしまう。
飛騨沢の核心の滑降はもちろんあっという間で、笠ガ岳や穂高岳西面を見ながらダケカンバの疎林を気持ちよく滑ると、槍平まででも感覚的にはすぐだった。
今回の山行が(あ)にとってこれまでになく達成感を得られたとか、これらの光景を目の当たりして喜ぶ姿を見ると、これまでの山行すべてがこの日のためにあったようで、我が親子の集大成の日にも感じられた。
HPはようこそ『山のアルバム』へ
・・・つづきを見る